サッカー元日本代表DFで「報道ステーション」(テレビ朝日系)のキャスターを務める内田篤人氏が、カタールW杯メンバーを発表した森保一監督に、ズバッと斬り込んだ。
森保監督は11月20日に開幕するW杯の代表メンバーリストを、11月1日に発表。フランクフルトで覚醒したFW鎌田大地をはじめ、キレ味鋭いドリブルが武器のMF伊東純也らが順当に選ばれた一方で、サポーターを動揺させる人選もあった。14年、18年と2大会連続でW杯に出場し、得点経験も持つFW大迫勇也の落選である。
代表リスト発表後、内田氏は「報道ステーション」(テレビ朝日系)に出演した森保監督に「メンバーはどうやって決めたんですか」とズバリ質問。これに森保監督は「9月の代表活動に招集した選手をポジション別に並べて、可能性がある選手たちを加えていって、議論して選手を絞っていく感じ」と説明した。続けて「A代表のスタッフは10人いますけど、皆に意見してもらいます。(時間が)めちゃくちゃかかりますね。昨日の時点で『これ決まらないね』って」と、選抜の苦労を語ったのだった。
ここで内田氏は、肝心の問題に言及する。「大迫がいないのが、皆がザワザワしていたところです。大迫はなんで入ってないんでしょうか」とサポーターの気持ちを代弁したのだ。森保監督は「ベストの26人を選んでいる。総合的に考えて出た結論ですね」と、バランスを考慮した結果の落選だとするのみだった。
この他にも、長期にわたって負傷離脱中で、9月のドイツ遠征にも参加できていないFW浅野拓磨、MF板倉滉らが選ばれながら、セルティックでゴールを量産するFW古橋亨梧は選出されず。サッカー関係者が言う。
「多くの観点から不満を生むことになったメンバー選考ですが、サポーターがザワザワするポイントを森保監督にぶつけた内田氏のストレートな姿勢は、非常によかったと思います。そうした質問は森保監督にとっても、サポーターを納得させられるいい機会になるはずでしたが、大迫落選の理由は『総合的な結論』と語るのみ。浅野と板倉の負傷については、現地のドクターから最新情報を得た上での結論だと明かしていますが、大迫の落選に納得したサポーターは少ない。『大迫もそうだし、古橋を選ばない理由が謎』などの意見が出ていますね」
日本の最初の試合は、11月23日のドイツ戦。26人のサムライブルーには、選ばれなかった戦士たちの分まで奮闘してもらいたい。
(木村慎吾)