サッカーW杯は、アルゼンチンの36年ぶり優勝で幕を閉じた。
日本代表は優勝候補のスペインとドイツを破る快進撃を演じ、大いに盛り上がると、テレビ各局は代表チームの話題で持ち切りに。
帰国後には森保一監督や吉田麻也、権田修一らの生出演が相次ぎ、敗退してなお、日本代表フィーバーが続いている。
だが、今大会を通じて、フィールド外で目立ちに目立ったのは、ABEMAの中継で解説を担当した元日本代表の本田圭佑だった。
長友佑都のプレーを「雑い」と叱責し、動きの緩慢な相手選手を「4番、穴やぞ」と言い切るなど、独特の言い回しが話題となったのだ。テレビ関係者が語る。
「日本代表戦以外にも準決勝と決勝もABEMAで解説しましたが、他のどの解説者よりも具体的で、試合を興味深く見せてくれる。私の周囲でも『本田の解説を聞くために、地上波ではなくABEMAで観戦した』というサッカーファンは少なくありませんでした。彼はまだ現役ですが、翳りが広がりつつあるサッカー人気を、解説者として回復させうる存在です」
決勝戦を最後に「本田節」が聞けなくなるのは惜しい限りだが、このテレビ関係者は、
「今大会の大活躍により、テレビ業界で本田を巡る争奪戦が起こっている」
と明かすのだ。
「最有力なのは、ABEMAを系列局に持つテレビ朝日。今後は代表戦のゲスト解説はもちろん、レギュラーコメンテーターとして『報道ステーション』への出演が熱望されています。サービス精神旺盛な本田のことですから、海外クラブでプレーする現役中でも引き受けて、オンライン出演すると思いますよ」
ある意味、サッカー人気の命運を握る存在かもしれない。
(山倉卓)