北海道北広島市に建設中の日本ハムの新球場「エスコンフィールド」が、激震に見舞われている。ファウルゾーンのサイズが、公認野球規則の定めを満たしていないことが発覚したからだ。
本塁からバックネット側のフェンスまでの距離は60フィート(約18.3メートル)以上が必要だとされているが、15メートルしかない。既に95%の工事が完了しており、日本ハムは「球団内で対応を協議中」とコメントした。
この問題を論じたのは、野球解説者の高木豊氏だ。11月8日にYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉を更新すると、
「臨場感をより近くで味わえるようなスタジアムっていうのは、オレは人気が出ると思う」
ファウルゾーンの距離が3メートルも短くなっていることを肯定的に捉えたものだが、一方でなぜ18メートルに定めたのかといえば、
「危険度からなのかな。ベンチも近いと危ないとか。確かにベンチに座っててね、あまりにも距離が近いと怖えなっていうことはあるんだよ、ネットがないからね」
現在の12球団本拠地球場を見ると、最短は18.3メートルで、東京ドームやマツダスタジアムなど6球団が該当。最長は横浜スタジアムの23.8メートルだ。
臨場感ある球場作りは話題性も相まって、ファンの心をつかむことは間違いないが、
「3メートル短いことによって、これまで捕手がキャッチできたファウルフライが、スタンドに入ってしまうケースが出てきます。あるいは、投手の暴投があっても、捕手がすぐにボールを取りやすくなるため、ランナーが進む、あるいは本塁に突入するのを躊躇することもあるでしょう。それぞれの立場によって、メリットとデメリットがありますね。とはいえ、球場開幕まで4カ月ほどになった今、スタンドを3メートルずらす工事は間に合いそうにない」(パ・リーグ関係者)
であれば、このまま他球団の了承を得られるかどうかが、解決の「条件」となるのだろう。球界、そしてファンが野球規則を動かす結果となるのか──。
(所ひで/ユーチューブライター)