今オフ、巨人投手チーフコーチから配置転換となった桑田真澄ファーム総監督。温厚な性格で、現役時代から声を荒らげる光景はなかなかないのだが、その桑田総監督から怒られたのだと、高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉に出演して明かしたのは、巨人OBの橋本清氏である。
橋本氏はPL学園時代、桑田氏の2つ後輩にあたる。プロ入り後のある試合で、橋本氏は当時の長嶋茂雄監督にリリーフ登板を直訴。対する中日の打者はPL学園時代の同期・立浪和義(現・中日監督)だった。ところが同点ホームランを放たれ、橋本氏は涙を流してしまう。
「みんな、例えば『次だ』とか『また明日もあるから』『ハシ、切り替えろ』とか…。でも桑田さんが来られた時に、まぁ厳しい言葉というか、愛情の裏返しなんでしょうけど、『ちゃんと準備してたか。泣くのはいいけど、責任を全うするにはしっかり練習しなさいよ。準備が必要だよ』と」
93年、橋本氏はプロ2年目で52試合に登板し、6勝4敗3セーブ、防御は1.83の好成績を収めた。調子に乗っているのを桑田氏に見透かされたのではないかと振り返ったのだが、当時の橋本氏にとっては、
「『次だ』って言われて、ハイって…そのビタミンの方が入ってくるんですよ」
桑田センパイの説教には「今?はああ!?何!?」とカチンときたそうだが、
「次の日に冷静に考えた時に、ああそうだって、すごく重い言葉というか、ジワジワと…」
今季、巨人で初勝利投手が8人も生まれたのは、そうした静かな説教があったからなのか…。
(所ひで/ユーチューブライター)