現在公開中の映画「ONE PIECE FILM RED」の主要キャラ「ウタ」が、紅白歌合戦に出場する。アニメキャラの紅白出場は史上初で、「ONE PIECE」ファンからのコメントで盛り上がっているように見えるが、
「15年の紅白にも、アニメの舞台をめぐる聖地巡礼など、社会現象を起こしたアニメ『ラブライブ!』内に登場するアイドルグループが出場し、アイドルの『中の人』、つまり声優が紅白歌合戦の生放送に顔出し出演しましたが、今回はウタが歌うという設定。映画の主題歌と劇中歌を担当したAdoの顔出し出演を期待するコメントもありますが、生出演はないでしょう」(放送担当記者)
というのも、Adoは今年3月、ワタナベエンターテインメントが手掛ける渡辺高等学院を卒業したばかりで、
「在学中の顔出し出演はNGでした。渡辺高等学院を卒業後、顔出しを解禁すると思いきや、今年8月に行われたさいたまスーパーアリーナでのライブでは背後からのライティングで逆光を作り出し、Adoのシルエットを観客が見守るという趣向。今回、紅白出場を仕掛けたのは『ONE PIECE』を製作する小学館集英社サイドで、ワタナベエンターテインメントの方針に影響はないものと思われます。両社の完全包囲網に守られ、NHK局内でカメラマンに追いかけ回されるようなことにはならない」(前出・放送担当記者)
渡辺高等学院は14年に開校した通信制の芸能学校で、芸能レッスンを受けながら高卒資格を得られる。芸能関係者が解説する。
「通信制の学校ですから、音楽の才能はあっても人付き合いが苦手、中学校は引きこもりがちだったという、いわゆる『陰キャ』『コミュ障』の生徒でも、自分の好きなことを続けながら学校生活を送れる。Ado自身も顔を出さない理由を『陰キャ』だからと述べています。歌唱力はあっても、自分の容姿に自信がないとして音楽活動をあきらめていた新しい才能の発掘もできます。YouTubeで人気に火が付いたAdoも、謎のアーティストyamaも顔を出さず、圧倒的な歌唱力とミステリアスなプロモーションで、若者に支持された。新型コロナの影響でライブ収益から動画コンテンツ収益を重視するようになったからこそ登場した、ニューヒロインといえるでしょう。ちなみに20年、同じく顔出しNGながら紅白で朝ドラの主題歌を歌ったGReeeeNは、映画『キセキ』で本人たちを演じた菅田将暉や横浜流星らのアバターで登場、やはり素顔をさらすことはありませんでした」
Ado本人の生出演は期待できそうにないが、二次元のアニメキャラ「ウタ」を三次元でどう表現するのか、映像技術に期待しよう。