テリー 吹奏楽部では何をやってたの?
桜井 サックスです。
テリー へぇ、女の子のサックスって格好いいな。しかもうまかったんでしょう。
桜井 中学の時に個人で全国大会に出て4位になって、それを見た高校の方が声をかけてくれたんです。
テリー じゃあ、高校時代は楽しかった?
桜井 それが行ったその日からサックスが吹けなくなって。いくら吹いても息が鼻から抜けるようになってしまったんです。
テリー あらら。それってイップス(局所性の運動障害)とか?
桜井 わからないですけど、結局、それが3年生の終わりまで続きました。
テリー でもさ、学校に奨学金もらって、吹けなくなったら学校に居づらくならないの?
桜井 そうですね。でも、学校をやめると、それまでにもらった奨学金を全部返して、実家に戻らなきゃいけないので、何とか3年間通って。だから、毎日泣いていて。死んだみたいに生きてました。
テリー そうか、いろいろあるなぁ。で、グラビアアイドルになろうと思ったのはいつだったの?
桜井 きっかけは高校を卒業して、札幌のホテルに就職したんですね。でも、お給料が手取り14万円で少ないし、休みもなくて、ホテルなので夜勤もあって、あんまり遊びに行ったりもできなかったんですよ。彼氏もいないし、どうしようと思って。その時に「私、オッパイが大きいから、これは武器になるぞ」「グラビアは向いてるかもしれない」って思ったんです。
テリー 急に降りてきたんだ。
桜井 降りてきました。高校生ぐらいの時に、母から「あんた、その胸ならグラビアに行けるわよ」って言われたのが、頭にあったんだと思います。
テリー で、どうするの?
桜井 それでホテルを辞めて、貯金が8万円しかなかったんですけど、とりあえずそれを持って、リュックを背負って家も決めずに東京に来ました。
テリー だって、泊まるところがないと危ないじゃない、女の子だし。
桜井 最初の日は上野のシェアハウスみたいな、1泊1400円のところに泊まって。次の日に新宿の雑居ビルみたいなところに行って、そこは外国人向けのシェアハウスだったんですけど、「私、外国人じゃないんですけど、貸してもらえませんか、今、家ないんです」って言ったら、小岩の4畳の部屋をすぐ貸してくれて、そこで生活を始めました。
テリー へぇ、あなた根性あるなぁ。
桜井 それで、スカウトされるために原宿に行かなきゃと思ったんですけど、目的もないのに行くのはイヤだったので、昼は原宿のカフェでウエイトレスをして、夜はトラックに荷積みをする1日1万4000円のバイトを始めました。その時は原宿のマック(マクドナルド)で1時間ぐらい寝て、また原宿のカフェでバイトして、その後16時ぐらいに品川駅に集合して、みんなでバスに乗って倉庫まで行くんですよ。それで倉庫へ行って朝の8時まで仕事するって感じでした。
テリー それで、またそのままバイトする時もあるの?
桜井 はい。
テリー 寝る暇ないじゃん!
桜井 だから、その時はマックと移動する時に電車で少し寝るぐらいでした。でも、そんな生活をしていたら、やっぱり声かけてもらえたんですよ。
テリー それが今の事務所?
桜井 いえ。そこからは移籍して、今は新しい事務所に所属しています。