無敵艦隊スペインと優勝候補ドイツを下し、1次リーグEグループを1位通過したW杯サッカー日本代表。FIFAや堂安律、長友佑都のSNSには活躍を称えるコメントが寄せられているが、もう1人、日本中のサッカーファンから大絶賛されている人物がいる。サイバーエージェント代表取締役で、奥菜恵の元夫でもある藤田晋氏だ。ITジャーナリストが語る。
「今回、地上波の放映権を持っているのはNHKとテレビ朝日とフジテレビですが、NHKが放映しなかったコスタリカ戦は47都道府県中9県で、スペイン戦も青森、山梨、徳島の3県で試合中継がありませんでした。彼らサッカー難民を救ったのが、藤田氏が代表取締役を務めるインターネット放送局『ABEMA』です。しかも藤田氏はW杯放映権料200億円を払ったにもかかわらず、全試合無料中継という大バクチに出た。今でこそ日本国内ではお祝いムードですが、大会前は日本がドイツとスペインに勝つとは思われておらず、盛り上がりに欠けていた感は否めません。SNSでは試合終了後から、藤田氏のアカウントにリアルタイムで中継を視聴できた地方在住のサッカーファンから、感謝のコメントが次々と寄せられました」
しかも日本戦の解説に本田圭佑を抜擢したのも、大当たり。コスタリカ戦の視聴者数は1400万人を超える同局新記録を達成した。スペイン戦も朝4時からの中継にもかかわらず、視聴者数新記録を更新したと、藤田氏が自身のSNSで言及している。
地上波も頑張ってはいる。日本テレビは放映権がないのにW杯を取り上げ、11月20日放映の「バンキシャ!」ではゲストの古市憲寿氏が「なんで放映権ないのに盛り上げようとしてるんですか」と司会の桝太一にツッコミを入れた。
テレビ朝日も12月2日の「大下容子ワイド!スクランブル」では系列の朝日新聞のライバル紙、読売新聞が東京駅で号外を配布している様子を「読売新聞の号外」と社名を連呼しながら生中継するなど、アシスト倍返しをしているのだが。
テレビ関係者がため息をつきながら話す。
「民放局のサッカー中継はもう限界です。スペイン戦を中継したフジテレビは、続く『めざましテレビ』で現地の様子や試合リプレイを流すこともなく、都心のタワマン上層階でテレビ観戦していた、日本代表に何の関係もない子供達の様子を延々と放送。テレビ朝日も『ワイド!スクランブル』にゲスト出演したコメンテーターの柳澤秀夫氏が、W杯に今回から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)にイチャモンをつけ『こんなの、線から出てるじゃない。白い線でも修正液で書き足せば…』と時代錯誤の失言で、日本代表の勝利に不満をぶつけました。民放局が少ない地方のスポーツファンなどは、完全に地上波を見放しています」
空港や駅でもABEMAを視聴している乗客がいると、周りの乗客も一緒に歓声が上がる光景が見られた。まるでテレビが貴重だった頃に、近所の人達が集まってきたようだ。地上波はもう役割を終えたのかもしれない。