【ネットで女子高生の『不敬問題』が勃発!?】
5月21日から1泊2日の日程で、栃木と群馬の両県にお出かけになった天皇・皇后両陛下。その途中、小山駅で両陛下を見かけた女子高生が携帯で写真を撮影、ツイッターに「ベストショット撮れた」というつぶやきとともにアップ。ところが、「不敬罪で死刑」「ツイッターにアップするなんて言語道断」と批判もつぶやかれ、写真は一気に「拡散」。論争に発展する中、女子高生は写真を削除するに至った。
両陛下の私的なご旅行であったことを考えれば、確かに撮影は遠慮すべきだったかもしれない。でも、この女子高生が撮ったという写真を見ると、両陛下ともに、にこやかにほほえんでいらっしゃって、プロのカメラマンだって、両陛下のお人柄をここまで写し出せないんじゃないかな。そう考えると、両陛下も写真を撮られることをお許しになっていたんじゃないかと思えるんだよね。
この女子高生だって、陛下のステキな笑顔が撮れて「やったー!」って気持ちでアップしたんでしょう。少なからず尊敬の念はあるわけだし、この写真を見た人も「いい写真だ」という感想を持った人が多かったっていうじゃない。
逆に、「写真撮ること自体が不敬だ」という発想のほうが危険な思想じゃないか。かつて、我々庶民が天皇陛下を直接見ることすら許されなかった。時代も変わり、一般参賀では、皆が写真を撮っていますよ。
もちろん、みのもんたを撮影するような作法で、撮影してはダメだよ。
でも、時代の流れとして「携帯で撮る」、「ツイッターにアップする」ということが起きるのは、ごくごく自然だと思うよ。
以前、私も園遊会に招待されたことがあった。陛下が参加者に話しかけられる場面が、よく報道されるでしょう。あの決められたスペース以外でも、陛下はたいへんお心遣いをされている。私は報道されない会場の端っこにいたんだけど、目の前に陛下がいらっしゃって、ただただ驚いていたら、「陛下、みのもんたさんです」って紹介してもらったんだ。すると、陛下は何とおっしゃったと思う?
「毎日、ごくろうさまです」ってお言葉をいただいたんだよ。まさか、陛下が、私が「毎日」番組に出演していることを知っていらっしゃるとは思ってもみなかったから、うれしかったね。
「この仕事をやっていてよかったな」って思うことは少ないんだけど、あの瞬間は本当にうれしかった。
自慢じゃなくて、陛下や皇室の方々を身近に感じる機会は、多いほうがいいってことを言いたいの。だから、今回の女子高生をほめてあげたいけど、ここは読んでいないよね。もし、彼女のお父さんが読んでいたら「みのもんたがほめていた」と伝えてあげてよ!
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。