早くもW杯日本代表チームに試練が訪れようとしている。グループリーグ突破の鍵を握るのは、第2戦となるギリシャ戦。世界一の性行為回数を誇るパワフルなチームだけに侮れない。しかし、日本の「好色イレブン」も、豊富な運動量による「パワフル攻撃」で万全の構え。“麻薬大国”コロンビアも粉々にして、サムライブルーがブラジルに歓喜のサンバを見せつける時が来た──。
初戦のコートジボワール戦の余韻も冷めやらないザックジャパン。グループリーグ突破に向けて、ギリシャ戦(日本時間20日)が大きな鍵を握ってくる。第3戦のコロンビアはFIFAランキング8位と、グループ中で最も強豪なチームだけに、日本とすればギリシャ戦では何としても「勝ち点3」をゲットしたいのが本音だろう。
だが、ギリシャも一筋縄ではいかないクセモノだ。6月6日に米国で行われたボリビアとの強化試合を現地で観戦した、スポーツライターの栗原正夫氏は、ギリシャの印象についてこう語る。
「2010年の南アフリカ大会終了後から現在まで、ギリシャ代表は国際Aマッチを42試合戦っていますが、負けたのはわずか5試合。パワフルで組織的な守備を徹底し、相手が攻め疲れしたところでカウンター攻撃を仕掛け、虎の子の1点を守り抜くのが特長です。大崩れをしない非常に安定感のある“堅守速攻”の勝負強いチームで、までは攻撃はカウンター一辺倒だったのですが、ここ最近の試合では、キープ力に優れるFWサマラスが左サイドを切り崩して、エースのミトログルに合わせるという攻撃パターンも相手チームの脅威になっています。また、185センチを超える選手がそろっているので、セットプレーにも注意が必要です」
世界屈指の体躯もさることながら、ギリシャといえば、世界一の“SEX大国”としても有名。世界26カ国を調査した「SEX回数の頻度」でも年間セックス平均回数は138回と断トツの数字。片や日本人は45回と、その“性力の差”は一目瞭然。となれば、フィジカルで勝るギリシャ相手に正攻法の肉弾戦を挑んでも返り討ちにされることは必至だろう。サッカー実況者の倉敷保雄氏は、「究極のガマン比べ」が雌雄を決すると解説する。
「ギリシャは、W杯欧州予選ではプレーオフを含めた12試合中8試合が無失点。しかも得点された大半の場面はPKやセットプレーからで、プレーの流れの中ではほとんどゴールを奪われていません。そんな鉄壁の守備を誇るギリシャとの対戦は、1点を争う均衡した試合展開になるはず。欧州屈指の守備力を誇るギリシャに対して、世界のトップリーグで戦う本田や香川らが軸となる攻撃力が勝るのか? 試合終了のホイッスルが鳴るまでの90分間にわたってガマン比べの攻防が続く、一進一退の“矛と盾”の戦いになるでしょう」
まさに、イクかイカされるか──。ちょっとしたミスが失点につながる緊迫した試合展開が予想される。となれば、日本代表は是が非でも先制点を取っておきたいところだ。02年W杯日韓大会の4試合にフル出場した、元日本代表でサッカー解説者の戸田和幸氏がゲキを飛ばす。
「ボール支配率は日本が上回るはずですが、相手のいいようにボールを持たされてしまうと、しだいに試合の流れはギリシャ側に傾き、十八番のカウンター一発でやられてしまうおそれがあります。そのような展開に持ち込まれないようにするには、コンパクトな布陣の中で複数の選手が次々と絡んでいき、すばやくショートパスをつなぐ、日本が得意とする形で主導権を握ることが大事です」
ギリシャの守備を攻略するうえでの理想のイメージは、昨年11月の欧州遠征、対オランダ戦の2得点目の場面だと、戸田氏が続ける。
「遠藤が起点になり、右サイドを駆け上がった内田にロングパスを出し、内田から岡崎、本田へと渡り、内田のくさびのパスを大迫がワンタッチで落として最後は本田が左足のシュートで得点を決めた、あの形です。ワンタッチもしくはツータッチのパスによるすばやい攻撃で、屈強なオランダDF陣に体を当てられる隙を与えなかった、スピーディなパス回しは、海外のメディアからも絶賛されました。あのような攻めができれば日本の勝利は、ぐっと近づきます」
やはり、正面からぶつからず、巧みなパス回しで相手のウイークポイントを突く。相手のパワーにテクニックで対抗するのが、唯一の戦略と言っていいだろう。
◆アサヒ芸能6/17発売(6/26号)より