3月に開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。参加を表明した大谷翔平の新たな姿を、ここで拝めることになるかもしれない。フレッチャー氏が言う。
「調整の関係で、リリーフとして起用されることが濃厚です。打者としては、間違いなく活躍できるでしょう。今回、リリーフとして出場する場合に注目したいのは、その調整方法とルーティンの変化です。例えば、指名打者として試合に出ながらどのような調整をするのか、気になります。ちなみに普段は打者として出場している試合中に、投手としての調整はしません。壁当てはおろか、キャッチボールなんてもってのほか。日本のように、攻撃中に先発投手がベンチ前でキャッチボールをする行為は、味方の打者にアウトになるよう呪いをかけているも同然なんです。必要な調整は試合前にやればいい。その時間はたっぷりありますからね」
とはいえ、もしリリーフでWBCに出場すれば、シーズンまでの先発投手としての調整に遅れが生じてしまいそうだが…。
「ショウヘイはプロフェッショナルですから、そこまで危惧する必要はないでしょう。WBCにリリーフで出場しても、何の支障もなく先発ローテーションの柱として、シーズンに突入できると信じています」
とかく日本では、公私にわたって大谷の一挙手一投足がニュースになる。対してアメリカではことさら、プライベートが詮索されることはない。
「ショウヘイは非常に礼儀正しい選手の1人ですが、球場外でメディア記者たちと交流を持つことをしません。本物のスーパースターだけに、番記者の数も多い。食事会ひとつにしても、招待するのは難しいのでしょう。そもそもアメリカでは、野球選手のゴシップに興味のある層はマイノリティー。むしろ、彼の野球の活躍や技術に関心を持っている。もちろん、ショウヘイの交際相手にも興味関心は薄い。私たちメディアも質問はしません」
過去には、ある日本人メジャーリーガーが、球場に交際相手を連れてくるケースがあった。家族や恋人用の招待席に、大谷が誰かを座らせることはなかったのか。
「家族や関係者を招待する席はあります。けれども、そこに大谷のガールフレンドらしい人物が座っていたことはない。もしガールフレンドがいたとしても、他人に知らせたくないなら、お忍びで別の席を用意しますよ。そもそも、ガールフレンドがいるのかどうかは、知りませんが」
アメリカでは色恋沙汰がない大谷だが、チームメイトとの関係性は良好なようで、
「コロナ前の試合後には、ビリヤードに興じる姿をしばしば見ました。ただ、最近はビリヤード台が撤去されて、卓球台が置かれるようになった。残念ながら、ショウヘイがプレーしているシーンを見たことはありませんが、彼の運動能力を考えれば、卓球でもいいセンをいくのではないでしょうか(笑)」
最後に、とかく話題に上がるレジェンドとの比較について、一家言を。
「すでにショウヘイは、ベイ・ブルースよりも上の次元で戦っている。ルースが二刀流として稼働したシーズンは2年のみ。強打者としての地位を築いてからは、投手への関心をほとんど失くしてしまいました。それどころか、投手としての起用に後ろ向きだったという話もありますね。その点、ショウヘイは前人未到の2Wayプレイヤーを、野球少年のように楽しんで続けている。来シーズンは打者で2割7分5厘、40本塁打、110打点、投手で16勝、防御率2.50をクリアしてくれると信じています。再び本塁打王も狙えるでしょう」
進化を続ける大谷からは、ますます目が離せないのである。
(おわり)