「『相手をリスペクトしすぎた』というセリフを本田圭佑の口からは聞きたくなかったですね」
とは、サッカー書籍の編集者。むろん、ザックJAPANのコートジボワール戦における敗戦談だ。リスペクトした相手は、アフリカの英雄・ドログバ。ドログバがフィールドに入った直後のあまりにみごとな逆転されっぷりは、テレビ観戦していた小学生たちまで「あんな負け方はないでしょ」とあきれ返ったレベルだった。しかし、日本中があれだけ期待した一戦で、スーパースターの前で萎縮したのが敗因だと言うのなら、これはあまりにガッカリといえよう。
「日本代表のメンタルの支え、本田圭佑のこの発言はウソでも封印してほしかった」(前出・編集者)
世界のサッカーというのは、一流選手であればあるほど、自己チューかつ「自分大好き」な人間が多い世界。ポルトガル代表のC.ロナウドはゴールを決めた直後、「オレは最高だーッ!」と叫ぶことでも有名だし、スウェーデン代表のイブラヒモビッチは「オレが出ないワールドカップなんて見る価値がない」と言い放った。それぐらい、常にメンタルをフルスロットルしている選手が世界にはわんさといるのだ。今回、本田圭佑は「優勝」という文字を口にしたはず。そんな男がオッサンのドログバに飲まれるようでどうする? と失笑されても文句は言えないだろう。“おのぼりさん気分”で、メッシ(アルゼンチン)やネイマール(ブラジル)に勝てるつもりだったのだろうか。
ドイツ×ポルトガル戦で頭突き一発退場となった、ポルトガルのぺぺという選手がいる。この試合は彼の愚行もあり、負担のかかった他のDFまで壊れるわ、スコアも散々な結果になるわ、ぺぺは正真正銘の戦犯となった。しかし、彼の奔放ぶりはある意味、普段着のままだった。これまでも倒れた選手の背中を蹴り、大げさな演技で相手を退場に追い込み、あのメッシの足まで踏みつけた。つまりぺぺは今回、その神をも恐れぬ“自分”をワールドカップでも貫き通したわけだ。
「ぺぺを真似しろとは口が裂けても言えません(笑)。しかし、彼の持つ“ありのまま”のメンタルこそ、今の日本代表には絶対に必要ではないでしょうか。よそ行き気分は捨てて、本田や柿谷、大久保らが普段の“生意気”なメンタルを代表全体で取り戻せば、きっと奇跡の逆転進出も現実になりますよ」(前出・編集者)
頑張れ、ザックJAPAN! もちろん、頭突きはいらないが(笑)。