習近平政権がいわゆる「ゼロコロナ政策」の事実上の撤廃を打ち出して以降、中国ではこれまで経験したことのない規模の感染爆発が全土を覆い始めている。
事実、中国政府が推計した内部資料を入手した複数の香港メディアは、12月1日から20日までの感染者数が2億5000万人に達していたと報じた。また、香港大学の教授らが公表した予測によれば、最悪の場合、感染爆発による今後の死者数は早晩100万人に達する可能性もあるというから、ただごとではない。
そんな中、中国発の強毒性変異株が世界を襲う、との悪夢のシナリオが取り沙汰されている。ウイルス学の専門家が警告する。
「中国における感染爆発はまさに異次元のペースで進んでおり、新たな変異株が出現する確率も異常なレベルに達しています。加えて、中国の市場ではニワトリやブタやイヌなどの家畜のほか、コウモリやジャコウネコ、イタチやリスなどの野生動物も、生きたままの状態で売られています。実は新たな変異株は、多くの場合、ヒトから動物へ、動物からヒトへ、という感染を繰り返す中で出現し、ヒトからヒトへの感染拡大に至ると考えられているのです。当然、強毒性と強感染性を併せ持つ新変異株も例外ではありません」
実は最近、中国国内では「舌が黒くなった」「皮膚が剥がれた」などの不気味な訴えと写真がSNS上に投稿され、一部のネットユーザーの間で「新たな変異株による症状ではないか」との不安も広がり始めている。ウイルス学の専門家が続ける。
「報告されている症状は、コロナ後遺症の可能性もあり、現時点ではハッキリしません。確かに気持ちの悪い症状ですが、それ以上に専門家らが懸念しているのは、やはり中国発の強毒性かつ強感染性の新変異株が世界中にバラ撒かれる悪夢です。これが現実のものとなれば、全世界の死者数も、経験したことのないレベルに達するでしょう。科学的には弱毒性の新変異株が出現する確率もフィフティー・フィフティーですが、強毒性かつ強感染性の新変異株がパンデミックを起こしてからでは手遅れなのです」
習近平政権による迅速な対応と真実の公表が求められるゆえんだが、いずれも政治的には全く期待できないというのが偽らざる実情なのである。