スポーツ紙が巨人・丸佳浩の、来季の「右翼コンバート」を報じたのは12月中旬。原辰徳監督は、丸がレギュラーとなっている中堅手について、チーム若返りのために、秋季キャンプ時からコンバートを明言していた。「年齢的なものもあるし、今年は守備に相当、負担をかけた」というのがその理由で、「右翼・丸」構想を明かしたのだった。
この報道を受ける形で丸は12月27日、原監督に「中堅手の該当者がいなければ、また戻ってもらう」と言われていることを明かした。その上で、こう語ったのだ。
「正直、外野手争いというほどの選手がいるのかなと思っている」「(中堅手に)現状では戻るつもりもあります。戻らざるを得ない状況になってしまうんじゃないかという思いもあります」
球界OBが解説する。
「新中堅手の候補としては、獲得調査中の大リーグ・ジャイアンツからFAとなったブリンソンが筆頭なのでしょうが、日本球界では未知数。他には、内野に加えて外野も視野に入れレギュラー獲りを狙う増田陸、ドラフト2位の慶大・萩尾匡也、現役ドラフトで移籍してきたオコエ瑠偉らがいますが、丸の守備力が多少衰えたとはいえ、いずれもまだ及ばない。丸自身、自分が中堅に入るのが最もチームが安定することを、よくわかっているということだ」
捉え方によっては、若手への叱咤激励にも聞こえる丸の発言。スポーツ紙デスクは、こんな見方を示す。
「今季、チームでただひとり、全試合出場した自負もあって、新外国人選手ならともかく、若手に長年張ってきたポジションを渡す気など、さらさらないでしょうね。さらに言えば、若手を自分以上の選手に育て上げられる力があるのかという、原監督を含めた首脳陣に対する強烈な皮肉が込められている気がしてなりません」
チーム状況を見抜いて発せられた「正論」と言えるのかもしれない。