22年大みそかに放送された「第73回NHK紅白歌合戦」の世帯視聴率は、1部(19時20分~)が31.2%、2部(21時~23時45分)は35.3%(関東地区、以下同じ)となった。
2部については、過去最低だった前年(34.3%)から1.0ポイント増ではあるが、2部制となった1989年以降ではワースト2位。瞬間最高視聴率は、その2部で大トリを務めた福山雅治が「桜坂」を歌唱した場面で39.5%を記録したものの、過去最低の前年に続き、2年連続で40%に届かなかった。テレビ誌記者によれば、
「今回は高視聴率が期待される『笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)が休止した上、格闘技『RIZIN』もなかった。それだけに、紅白に視聴者が流れるのではないかと思われましたが、1部は前回(31.5%)とほぼ変わらず、2部も微増にとどまった。あの手この手で数字を上げようとしたものの、実際には効果がみられなかったといえますね」
ただし、NHK関係者の間では、見方が少々違うようだ。
「1部、2部のどちらも『前年からガタ落ち』という事態を回避できたことは大きい。特に1部は、韓国系や初登場組を多くしたことが功を奏したのではないか。初司会の橋本環奈も評判は上々で、今後の紅白はさらに若者を意識した番組作りになるでしょうね」
過去最多となる5組のK-POPグループが出場することに、放送前から賛否両論が巻き起こっていたが、
「実はK-POPアイドルに付いているファンは若者だけではなく、その親世代も一緒になって応援しているケースが多い。今回の紅白は、その点を踏まえた番組作りが効果的かどうかの、試金石の意味もあったと思われます。結果、プラスと捉えるのであれば、韓国枠はさらに拡大されるでしょうね」(前出・テレビ誌記者)
高齢者切り捨てがますます進むことは確かなようだ。