仕事始めの1月4日、東京都の小池百合子知事は、午前中に都庁内で開かれた幹部職員らへの年頭挨拶の席上、「都内在住の0歳から18歳の子供に対して、1人あたり月5000円程度の支援金を給付する」とのサプライズ政策をブチ上げてみせた。
来年度(今年4月以降)からスタート予定のこの支援策について、小池氏は自身が特別顧問を務める「都民ファーストの会」をもじった「チルドレンファースト」のキャッチコピーを掲げ、得意満面の様子。だが、小池氏の古巣にあたる自民党内からは早速、嘲笑交じりの罵声が噴出する事態になっている。岸田文雄総理に近い、自民党の有力派閥幹部も、次のように吐き捨てて、
「この日の午後、岸田総理が伊勢神宮参拝後の年頭記者会見で『こどもファースト』と銘打った『異次元の少子化対策』を公表することは、小池氏も総理会見のスピーチ予定稿の内容を含めて知っていたはず。まさに機先を制して敵の出鼻を挫き、自身の存在感をアピールするという、小池氏お得意のパフォーマンスだ。しかも、2日後の会見では『(岸田プランは)異次元にはならない』と、しっかりとイチャモンをつけることも忘れなかった。実際、自民党内からは『ただ目立ちたいだけ』『またまた悪い癖が出た』という嘲笑と怒りの声しか聞こえてこない」
それにしても、小池氏はなぜこれほどまでに「わかりやすい手」を弄し続けるのか。有力派閥幹部が続ける。
「やはり『いずれは憲政史上初の女性総理に』との欲があるからだろう。日本新党に始まり、自由党、保守党、そして自民党をシレッと裏切り、過去を踏み台にしてのし上がってきたのも、まさにそのため。自民党内には今、『小池総理』を展望する人間は妄想レベルでも皆無だが、当人はまんざらでもないだけに、なんとも始末が悪い。小池氏の唯一のケツ持ちと目されていた二階(俊博)さんも、党幹事長の要職から去ってしまったからね。初の女性総理どころか、国政復帰すら難しいだろう」
都民も国民も「小池マジックにはもうダマされるな」ということか。