「『続いてCMです』と言ってみたい。NHKではなかなか言えないので」
2018年9月、NHKと日本テレビが両局のテレビ放送65年などを記念した「テレビ65年 NHK×日テレ コラボデー」の記者会見で、NHKの武田真一アナウンサーが日テレの番組に出演することについて語った言葉だ。日テレを含めた民放で、念願だったセリフを言えるチャンスが巡ってきた。
1月25日配信の「デイリー新潮」が、武田アナがNHKを退局してフリーに転身することを報じた。具体的な退局の時期は明かされていない。
武田アナは1990年、入局。「NHKニュース」「NHKニュース7」「クローズアップ現代+」など報道畑を中心に活躍。21年春から大阪放送局に赴任していた。
NHKのHP内「アナウンサー 仕事の流儀」で、武田アナは「災害報道が自分の原点」と答えている。最大震度7を記録した16年の熊本地震では、「NHKスペシャル」で「熊本県は私のふるさとです。ふるさとを思うと胸が締め付けられます」と辛い心情を明かし、番組終盤には「一緒に災害を乗り越えましょう」と呼びかけ、多くの視聴者の胸を熱くした。
フリー転身後、武田アナが主戦場として希望するのは報道番組であることは容易に想像できる。有力候補とみられているのが、長きにわたって低視聴率に苦しむ「news23」(TBS系)だ。これまで何度も打ち切り説や、キャスターを務める元テレビ朝日でフリーアナウンサーの小川彩佳の降板説が囁かれてきた。仮に武田アナが「news23」の新キャスターに抜擢されるとなると、夜の報道番組競争は大変なことになる。
「『news zero』(日本テレビ系)の有働由美子アナ、『報道ステーション』(テレビ朝日系)の大越健介キャスター、武田アナと、メインキャスターを務めるのが3人ともNHK出身者となります。有働アナは以前、ラジオ番組で大越氏が『報ステ』のキャスターに就任することについて『負けてられないぞ!』と意気込みを語っていました。武田アナが『news23』に決まれば、同じように競争意識を燃やすでしょう。また、武田アナは『NHK紅白歌合戦』の総合司会に抜擢された際、その大役を務めたことがある有働アナからアドバイスやサポートを受けました。武田アナは有働アナの1年先輩ですが、『紅白』の総合司会に続き、フリー転身でも後れをとったことになります。フリー転身後は、武田アナも『追い越してやるぞ』と闘志を燃やすはずです」(テレビ誌ライター)
武田アナの新天地がどこになるか、楽しみだ。
(石田英明)