かつて沖縄県沖縄市に存在した、吉原社交街(通称:コザ吉原)。12年には沖縄県警と地元市民による浄化活動で壊滅状態に追い込まれたはずの色街が、数年前から復活している。昼間はひっそりと静まり返っているが、週末には15店舗ほどの置屋が営業している。前回、かつてのちょんの間の再開をレポートしたが(2022年10月13日公開記事)、その後を追ってみた。
現在の吉原社交街は週末になると、車やタクシーの往来が目立っている。通りを歩いているのは地元の若者達といったところだろうか。やはり、賑わいを取り戻しているのは本当のようだ。だが、営業している置屋は多くはなく、女の子も30代前後と、若いわけではない。なぜ寂れた赤線街が盛り上がっているのか。地元ピンク店関係者に話を聞いた。
「沖縄市には『特殊浴場』がないんです。16年に風営法が改正されて以降、いわゆる個室付浴場は、沖縄県では那覇市辻でのみ、新規出店が承認されている。そのため、県内では準備金が少額で済むデリバリーや店舗型のメンズエステが、今は主流となっています」
沖縄市にもメンズエステやデリバリー店があり、若いキャストも揃っている。料金は1時間1万円ほどと、30分1万円の吉原に比べるとコスパはいいのに、なぜかつての赤線街に客が集まるのか。地元ピンク店関係者が続ける。
「まず、地元市民は知り合いに会いそうな店舗型メンズエステを利用することを避けます。実際、メンズエステには女の子が知り合いとバッティングしないように、モニターを付けている店もあります。また、デリバリーはネットで予約をする必要があるため、年配客は億劫だと感じるようです。吉原であれば、働いているのは市外や県外から来ている子なので、知り合いに会う可能性が低い。また、女の子との交渉だけで済むので、気軽に入れるのが魅力なのだと思います」
昔ながらのお手軽な赤線システムは、地元市民にとっても馴染みがあるのかもしれない。