電気代が高騰を続ける中、つい暖房をケチっていたところへ、記録的な大寒波が襲ってきた。このままでは春を迎える頃に、我が懐まで大寒波状態になってしまう。そこで、手軽にできる電気代節約術を、その道のプロに指南してもらおう!
東京電力が約3割の値上げを申請。各地の電力会社も足並みをそろえることが予想される。政府の物価高対策の補助金が吹き飛ぶ電気代の高騰である。つい、エアコンのスイッチを押すことにためらいを感じてしまう。
これで冬を乗り切ることができるのか──。節約アドバイザーの和田由貴氏に不安を打ち明けると、
「エアコンは室温が設定温度になるまでの間が最も電力を使います。いかに効率よく室温を上げられるかが節約のポイントです」
効率を上げるためには、まず冷気が入らないよう部屋の環境を整えることが肝要だという。その天敵となるのが大きな窓だ。
「日本の住宅は単板ガラスが多く、モロに外気が入ってしまい、部屋が暖まりにくい原因になっています。丈が長く厚手のカーテンに買い換えるなどの対策が有効です」(和田氏)
とはいえ、きちんとしたカーテンは意外と高額。高騰した電気代よりも出費がかさむ心配も。
「そこで提案するのが、いわゆる100均ショップで売っているグッズです。例えばシャワーカーテン。100円でも十分な断熱効果が期待できます」(和田氏)
取り付けも簡単である。使っているカーテンを外し、フックをシャワーカーテンの穴に通す。その上から元のカーテンを入れ戻すだけで、二重カーテンができ上がるというのだ。
「多くのご家庭はレースカーテンもつけているでしょうから、三重カーテンとなって、より効果的です。100均グッズですから、劣化したらすぐに買い替えできます」(和田氏)
さらに、まだまだ頼れる100均グッズがあった。
「それでも冷気は窓とカーテンの間に溜まります。下に溜まる性質があるため、冷気がカーテンと床の隙間から部屋に流れ込んできます、これも部屋を暖めにくくしています。これを遮断するには、100均でも売っているカフェカーテンが有効です。カーテンの横幅と同じ長さ分を買って、カーテンの裾に両面テープで貼り付ければ、丈長カーテンが完成。カーテンの裾から冷気が漏れてこなくなります」(和田氏)
窓対策を万全にしたところで、エアコンのスイッチをオン‥‥といきたいところだが、その前にリモコンの表示をチェック。エアコンの設定で電気代が大きく変わってくるためだ。
「最初に話したとおり、エアコンは設定温度になるまでが最も電力を使うため、風量が『弱』では無駄に長時間、電力を使うことになります。なので、風量は『自動』にして、部屋を一気に暖めることを意識しましょう。風向も同じように、『スイング』にするよりも『自動』にしたほうが節約になります」(和田氏)
これでエアコンの設定温度を1度でも下げられれば「消費電力が10%下がる」(和田氏)ので、かなりの電気代節約になるはずだ。電気代高騰と寒波は100均グッズで乗り切るべし!