日曜の朝にしては、重苦しい雰囲気だった。2月5日のワイドナショー(フジテレビ系)で松本人志と東野幸治、田村淳が吉本興業の後輩、EXIT兼近大樹と広域強盗事件の容疑者との関係に触れたのだ。
田村は「擁護もしないし、また悪いことをしないように見守っていく」と、クレバーかつ距離感を置いたコメント。松本はというと「過去に付き合っていた友人のことが問題になっているだけ」というものだった。
微妙に温度差はあるが、先輩芸人のそんな配慮とは裏腹に、兼近の「過去」が大きくクローズアップされている。今回の連続強盗事件が、あまりに大きな広がりと衝撃を生んでいるためだ。
「思えば19年9月に『週刊文春』が兼近の犯歴を報じたところ、吉本興業は『ある者の前科・前歴に係る事実を実名で報道することは、プライバシー権・名誉権を著しく侵害する行為』として、日本弁護士連合会に人権救済申し立てを行ったこと公表しました。以降、メディアはこの件を取り上げることを控えてきました」(芸能ジャーナリスト)
その一方で、兼近自身は出演番組や出版物などで、昔の窃盗歴などをカミングアウトしてきた。強烈だったのは、21年に出した自伝小説「むき出し」にあるエピソード。主人公が小学校低学年時代にクラスメイトの女児を殴っては「殴った手が腐る」と暴言を浴びせ、その女児は転校先の小学校で自殺に追い込まれている。前出の芸能ジャーナリストが補足する。
「兼近自身はフィクションであると説明していますが、なんともリアルな内容でしたね」
今回の強盗事件に絡んで、兼近は自身のTwitter上で自ら呼びかけ、フォロワーからの質問にひとつずつ答えている。
フィリピンに収容されている容疑者の強制送還に絡み、今後もまた兼近の対応が注目される事態になるかもしれない。この難局をどう乗り越えていくのか──。