三菱重工業は、ジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発中止を、2月7日の2022年度第3四半期会見で正式発表した。
20年秋に「しばらく立ち止まる」と、開発中断を発表してから2年半。累計1兆円の開発費を投じながら納期を6度延期するなど空回りが続き、ついに官民による国産旅客機の構想は頓挫した。
そんな中、あるツイッターで、
「関係者ですがもう時効だから暴露します。最初の構想を考えたチーフパイロットが空自の戦闘機出身」「民間機ど素人が仕切る中で、誰も某氏を諫める人がいない」
などと、三菱重工業のずさんな計画を暴露されたのだ。航空ジャーナリストが語る。
「このツイートの真偽はともかく、開発トップと現場の意思疎通がうまくいかなかったのは事実です。戦闘機開発に長年携わってきた岸信夫氏は6年間トップとして現場を仕切りましたが、4度の納入延期後に定年退職。また、開発責任者を務めていたアレクサンダー・ベラミー氏も18年から開発トップとして事業を引っ張ってきましたが、三菱重工の日本人社員らと意思を通わせることができずに更迭された。他にも海外の開発拠点閉鎖や人員半減など、三菱重工の社内体質がもたらした結果といえるでしょう」
ベラミー氏の退任後は400人近い外国人技術者の多くが去るなど、内紛を繰り返してきた。官民一体となって500億円の国費が投じられたが、国や三菱重工はその責任をどう取るつもりなのか。
(ケン高田)