「ポスト岸田」の筆頭候補とされる河野太郎デジタル相の評判が、自民党内で急落している。自民党関係者が明かす。
「今、アメリカで深刻な問題となっている、中国発の気球問題が原因です。この中国製気球、すでに同類と思われるものが20年に日本にも飛来していたわけですが、当時の防衛相が河野氏。記者会見で気球に似た飛行物体の行き先を聞かれて『気球に聞いてください』などと、全く危機意識のない答弁でした。そのことを今、再度チェックされ、厳しい視線にさらされているんです」
2月17日の記者会見でこの気球発言について問われた河野氏は、
「分析内容は答えられないため差し控える、と言うべきだったが、冷たい(言い方な)ので気球に聞いてくださいと申し上げた」
などと釈明していた。これが原因で、党内では輪をかけて反感を買っているという。別の自民党議員が指摘する。
「2月13日の衆院予算委員会では、野党議員から原発政策や外相時代の質問を受け、『所管外』という言葉を12回も繰り返している。確かにデジタル相が答える質問ではないが、言い方があまりに傲慢。要は上から目線で、一向に直らないあの態度が、党内で煙たがられるわけです」
21年の自民党総裁選では、岸田総理と決戦投票で争ったが、フタを開けてみれば国会議員票で岸田氏が249票、河野氏が131票と、ほぼダブルスコア。その際も「河野氏が総裁を狙うには、国会議員の不信が最大のネック」と囁かれたものだ。
そして今回の「所管外」発言。2月14日には、自民党の梶山弘志幹事長代行が記者会見で、「一般論だが、国会の審議で閣僚は野党の質問に丁寧に、真摯に答弁すべきだ」
と苦言を呈したほどだ。
ところで「気球発言」を蒸し返される背景には、父・河野洋平元自民党総裁の政治スタンスの影響もあるといい、
「洋平氏は親中政治家とみなされ、ファミリー企業が中国進出していることも、事あるごとに突かれている。そのため太郎氏も、中国のやりたい放題が問題視される中で総理など務まるものなのか、どうしても疑問符がついてしまう」(保守系議員)
世論調査では「ポスト岸田」のトップランナーの位置にいる河野氏。来年の総裁選をニラみ、党内国会議員らにどうアピールしていくのか、ここから胸突き八丁にさしかかることだろう。
(田村建光)