「当時、野球選手ってヴィトンのバッグをみんな持ってましたよね」
そう言って自身の現役時代を振り返ったのは、野球解説者の岡崎郁氏である。掛布雅之氏のYouTubeチャンネル〈掛布雅之の撞球【公式】〉に出演して明かしたのは、ルイヴィトンのバッグをめぐる、当時の王貞治監督の言葉だった。
「お前、それ本物か。コピーじゃないのか。お前が持つと、本物でもコピーに見えるな。俺が持つと、コピーでも本物に見えるんだ」
1軍の選手になってヴィトンのバッグを持つのがひとつの憧れだった岡崎氏にとっては、なんともいえないセリフだったのである。
王監督の毒舌は、岡崎氏が乗っていたベンツにも向けられた。
「最初、中古の安いベンツに乗ってたんですよね。そしたら、またそこにも食いついてきて、『お前のベンツ、本物か。コピーだと思うな、お前が乗ると』って」
これには掛布氏も「王さん、面白いね」と返すしかなかったのだが、
「監督と選手という関係ながら、フレンドリーな間柄だったからこその、イジリでしょうね」(スポーツライター)
世界の王の、意外な一面でもあったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)