落語家でタレントの笑福亭笑瓶さんが、2月22日午前、急性大動脈解離で亡くなった。享年66。
15年12月29日にも千葉県のゴルフ場で突如として胸の痛みを訴え、ドクターヘリで救急搬送された際も、急性大動脈解離と診断されていた。その後、順調に回復し、テレビで元気な姿を見せてきたが、前日の21日に自宅で倒れ、帰らぬ人となってしまった。
笑瓶さんは大阪芸術大学卒業後の81年、笑福亭鶴瓶に弟子入り。共演歴があった山田邦子、片岡鶴太郎の呼びかけで、太田プロダクションに所属した。
「ものまね王座決定戦」(フジテレビ系)で見せた「魔法使いサリー」の似てない(?)よし子ちゃんが大ウケし、幅広いファン層を取り込んだ。「噂の東京マガジン」(BS-TBS)では、清水国明らとともに番組の顔として、様々なレポートを行っていた。
その笑瓶さんが「一度は死を覚悟した」という15年の救急搬送について、16年7月19日に放送された「おぎやはぎの愛車遍歴」(BS日テレ)で、こう明かしていた。
「『大丈夫ですか』『師匠、大丈夫?』ってみんな来てくれるやんか。オレは目をつむって『痛い痛い…』言うてたから、みんな見守ってくれてる中で、もしかしたらオレは命を失うかもしれへんと思いながら。そうしたら(すぐ近くにある)ティーグラウンドからドライバーショットの音がパンって聞こえて『ナイスショット!』って。あれ、この声、さっき『師匠、大丈夫?』言うた人の声やなって。え~、俺が今、生きるか死ぬかって時に、ナイスショットって…」
九死に一生を得た緊迫の場面を、爆笑トークに変えたのだった。またこんな笑い話を聞きたかったのだが…。合掌。
(所ひで/ユーチューブライター)