では、ライバル国がチェックを入れた侍たちの弱点とは──。スポーツ紙デスクは「アキレス腱は二遊間にある」と指摘してこう続ける。
「メジャー組の合流遅れなどでバタついている外野手よりも重症です。まずはショートの源田壮亮(30)の打棒が“安全牌”扱いされている。プロのキャリアを通して打率3割を残したシーズンはなし。ビハインドの終盤に代打を出されることが濃厚ですが、バックアップメンバーの中野拓夢(26)の守備に不安がある。キャッチボールやシートノックでの肩の弱さは見るからに明らかです。そのため、守備に余裕がなくミスを犯してしまいます。エラーを誘発するために狙い打ちされる可能性は高い」
そして、セカンドの山田哲人(30)はコンディションが上向かない。
「もともとスロースターターで、春先の状態は毎年、芳しくありません。栗山英樹監督(61)は『大会までの時間で状態を上げられる』と楽観視しているが、本戦までに韓国やアメリカの150キロ超のストレートに対応できるまでに状態を上げられるかどうか。出たとこ勝負となってしまうおそれがある」(球界OB)
その打撃フォームにも疑問符が付けられている。在京球団スコアラーが明かす。
「国際大会で、前足を大きく上げる打者を代表に選出したのは完全に選考ミスですよ。ヘタしたら、山田や山川穂高(31)はまったく戦力にならないかもしれない。そもそも、投手の始動の早いメジャーでは、前足を上げるフォームでタイミングを取るのが難儀なものです。あのイチロー(49)や大谷でさえも渡米後は打撃フォームを修正した歴史があります。とはいえ、本戦を目前にして打撃フォームをイジるのは現実的ではない。反対に対戦相手は、2人の弱点をつくような攻め方をするはずですよ」
野手だけではない。WBC球に不慣れな投手陣も敵国はチェック済みだ。
「第2先発候補の宮城大弥(21)と高橋奎二(25)の2人ですね。25日の強化試合で4失点した宮城はリリースポイントを一定にして投げられないでいる。コントロールが生命線なのに、力加減を間違えるとストレートがシュート回転してしまう。高橋は『スライダーを含めて変化球がのってこないと怖い。直球もダメになる』と周囲に不安を漏らしているようです。同様に抑えの一角・松井裕樹(27)も順応できずにいる。宮崎合宿の最終日にも、すがるようにダルビッシュに教えを請うていました」(スポーツ紙デスク)
前途多難な侍の一行が、アメリカに渡る前に息絶えてしまわなければいいのだが‥‥。