山本監督が声をかけたメジャー6選手から4人が消えた。残る2人のうち黒田博樹(37)は辞退が確実視され、所属球団が決まらないイチロー(39)は不透明だ。
「辞退が濃厚ですが、メジャーからは誰も出ないとなり、急転直下で『じゃあ、俺が救世主になる』と、オイシイところ取りする可能性は十分ある。その場合、山本監督がはやばやと主将に指名した阿部慎之助(33)との権力争いが勃発します」(前出・デスク)
山本監督は「阿部のチーム」と明言し、前回の優勝監督である原辰徳シニアアドバイザー(54)も「助監督のような存在」と語るなど、阿部は単なる選手の扱いではなくなっている。事実、キューバ戦前の練習ではノックや打撃指導も行うなど、完全に助監督気取りだった。そこへ前2大会で中心的存在だったイチローが飛び込んでこようものなら、両者の激突は必至だ。NPB関係者が明かす。
「前回WBCで、イチローはミーティングに出ないなどの特別行動を取り、王様状態。選手たちからの怒りの声に、年上の宮本慎也(42)や稲葉篤紀(40)が『ミーティングには出ろ』『若いやつらを食事に連れて行ってやれ』と諭し、暴走を抑える役割を担いました。が、今回はそんな超ベテランも不在で、王様と助監督がぶつかってチームはバラバラになるかもしれない」
さて、今回のキューバ戦メンバーには入らなかったが、山本監督はダルビッシュに代わるエース格を田中将大(24)とした。それどころか、前回大会のダルビッシュのごとく、先発と守護神の二刀流でフル回転という構想も描いているのだ。前出・デスクが説明する。
「先発とリリーフでは調整のしかたが全然違う。先発は長い距離をランニングするが、連投が必要なリリーフは短距離ダッシュを繰り返したり。ブルペンでの投球数も違います。WBCのあと、もしシーズンに入ってその調整の影響が出たら、来季背水の陣で挑む星野監督にとっては大打撃となる。星野監督は胸中複雑で、『マー君を潰す気か!そんなこと言ってたら出さんぞ!』と報道陣に怒りをぶつけるなど、恫喝モードに入っています」
山本監督と星野監督といえば、同い年の親友だったはず。それがなぜ、怒気をみなぎらせるのか。
「北京五輪以降、2人はほとんど口をきいていません。というのも、北京では星野監督がベンチ裏で川上憲伸(37)をブン殴るわ、采配はメチャクチャだわで、山本監督もさすがに嫌気が差したんです。結果、4位に終わり、星野監督は戦犯扱いされましたが、マスコミから逃げた。そこで『俺が代わりに話すから何でも聞いてくれ』と矢面に立ったのが山本監督でした」(前出・NPB関係者)