小久保監督の求心力も下がるばかりだ。
「クリーンアップは動かさない、と早々に宣言しておきながら、3番の坂本勇人(28)が不振になると、すぐに青木宣親(35)に差し替えた。嶋基宏(32)は当初、捕手1番手構想で、足の故障からの回復が遅れても『強化試合最終戦の3月5日まで様子を見たい』と言っていました。ところが、3日に炭谷銀仁朗(29)とアッサリ入れ替え。朝令暮改のオンパレードです」(スポーツライター)
結果オーライの迷采配も目につく。2次ラウンドのキューバ戦では、5対5の同点で迎えた7回一死一、三塁のチャンスに、今大会のラッキーボーイとなっている小林誠司(27)に代え、内川を打席に送ったのだ。ヒットでつないだ8番の秋山翔吾(28)も内川自身も、「え?」と耳を疑うコールだったという。
「セオリー無視ですね。普通、その試合で調子のいい選手は代えません。しかもまだ同点。投手陣の信頼が厚くなっている小林を代えるリスクは大きい。状況を見ず、捕手には代打と決めている杓子定規の采配です」(スポーツ紙デスク)
しかも、采配が迷走するほど、小久保監督はプレッシャーに押し潰されそうになっている。開幕戦では5回が過ぎるまで体の震えが止まらず、オランダ戦では表情が青ざめ、ピンチやチャンスなど重要な局面が訪れると下を向き、グラウンドを見ていられなかった。頬もこけて激ヤセ。周囲が「大丈夫か、倒れるんじゃないか」と心配するほどの心労に追い込まれていたのだ。
「御飯が喉を通らず、流動食のゼリーしか食べられないそうです。キューバ戦後の会見で、心配した記者から『これで何か食べられるのでは?』と質問が飛んだほどでした」(中継スタッフ)
そんな中、小久保監督がリラックスするために取り入れている手段がまた、奇妙だ。なんと、経済界の大物や識者、高尚な僧侶らの講演音声を、ウオーキングしながらイヤホンで聞いているという。中継スタッフが続けて明かす。
「心に残る言葉や話があればメモに書き留め、ミーティングで選手に話すこともあった。真面目すぎるんです。だから必要以上に重圧を感じ、勝負師になりきれない」