栗山ジャパンが大揺れに揺れている。大谷翔平(28)が無事に合流した一方で、攻守の要として計算されていた鈴木誠也(28)が左脇腹痛で代表を辞退。そればかりか、本戦を目前にした“想定外”は他にも発生していた。なんと、大フィーバーを巻き起こした宮崎強化合宿の裏で、侍たちのマル秘データが垂れ流しにされていたのだ。
「完全にNPBの失態ですよ。あまりにも金儲けに前のめりになりすぎた」
と吐き捨てたのはさる球界OBである。2月17日~27日にかけて実施された「侍ジャパン宮崎キャンプ2023」。延べ18万人を超えるファンが大挙押しかけたが、その盛況ぶりを後押ししたのは、代表チームの一挙手一投足を映した“生中継”であろう。スポーツ紙デスクが解説する。
「練習風景や強化試合が生配信されていました。従来のCSチャンネルだけではなく、侍ジャパンの公式YouTubeチャンネルや『Paravi』をはじめとする配信サービスで世界中に大公開。そのおかげで、6年ぶりのWBCに向けた機運が熟したのは事実です。球場のグッズ売り場には連日にわたって長蛇の列ができ、代表ユニフォームの完売が続出するぐらいにファンの購買意欲を刺激していましたからね」
しかしながら、興行的な成功は諸刃の剣にほかならない。リアルタイムで配信された動画の中には、秘するべき選手たちの“機密情報”が多分に含まれていたのだ。球界OBがため息交じりに語る。
「ファンサービスのつもりなのかもしれないが、練習風景をタダ同然で他国に提供しているのに変わりはない。ライバルの韓国なんかは、偵察部隊に経費をかけずに済んでほくそ笑んでいるだろうよ。現地に赴かなくても、メイングラウンドやブルペンをいろんな角度から撮ってくれるサービスぶりなんだからさ。動作解析が進んでいるアメリカにしてみれば攻略法が一目瞭然。選手のコンディションまで丸裸にされてしまう」
そんなガバガバの情報セキュリティーに対する意識は、代表合宿第1クールから垣間見られた。
「2月17日~19日の3日間、ドジャースのアンドリュー・フリードマン取締役本部長ら4人の編成幹部が視察に訪れたんです。代表合宿で、メジャーの編成担当にゲストパスを発行するとは異例中の異例。そればかりか、ブルペンの中に入る許可まで出していた。19日には佐々木朗希(21)の投球ぶりをダルビッシュ有(36)ら代表投手と並んで見学。当然、見聞きした情報は本国の代表チームに伝えられるでしょう。他の団体スポーツのナショナルチームではありえない話ですよ」(スポーツ紙デスク)
しかも情報の流出先はアメリカのみならず。
「同行していたジョン・ディーブル環太平洋スカウトは、第1回大会から前回大会までWBCオーストラリア代表の監督を歴任してきた人物です。図らずも、1次ラウンドで戦うライバルに塩を送る形になりましたね。また23日には、ラジオの取材で訪れたとんねるずの石橋貴明(61)をブルペンに入れる“VIP対応”もあった。NPBは、メディアを含む部外者を規制線の中に入れることに抵抗がなさすぎます。こんな体たらくだけに、情報がダダ漏れでも気にならないんでしょうね」(スポーツ紙デスク)
まさにスパイ天国ニッポン。本戦を前にした情報戦ではすでに完敗の形だ。