「今までヘッドコーチ3年やらせてもらって、私の責任であると思うし、(原辰徳)監督がやっている色に、なんとか染めていこうとは思ったんだけど、染まらせられなかったっていうのはボクの責任だなって」
これは巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチの、懺悔の言である。昨シーズンまでの3年間、ヘッドコーチとして監督を支えてきたが、2年連続でV逸。スポーツ報知のYouTubeチャンネル〈報知プロ野球チャンネル〉に出演した元木コーチは3月7日の動画で、自らの責任に言及した形だ。
元木コーチはチームの組織論について、こう強調した。
「今年はボクが監督に意見したこともないですし、全部、阿部(慎之助)ヘッドの方に話をしてやってるんで。そういうのがチームの組織。みんなが、オレがオレがって色を出していくと、いい色に染まってこないと思うので」
一歩引いた形でV奪還を目指す姿勢を示した元木コーチだが、一歩どころか退場寸前まで後退させられたのが、桑田真澄ファーム総監督だった。投手チーフコーチから、いわば名誉職である新設のファーム総監督に「異動」となっている。
「昨シーズン、プロ初勝利の投手を8人も生み出す実績を残しましたが、原監督には煙たがられた。投手の肩は消耗品であるとの考えから、投手陣の将来を考え、登板間隔や球数制限について、監督に意見したのです。それが逆鱗に触れ、これといった仕事のない役割に配置転換となりました」(スポーツ紙デスク)
クビではなく配置転換だったのは、契約があと1年残っていたための特別措置、とも言われる。
今季は監督に直接、意見しない元木コーチと、意見できなくなった桑田ファーム総監督。両者の隔たりは、なかなかに大きい。
(所ひで/ユーチューブライター)