【ドン・キホーテが「シニア世代」を急募】
大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が60歳以上を対象にパート従業員を2000人急募することを発表した。募集するのは早朝の時間帯2~3時間の販売・清掃・商品陳列の担当。高齢者の雇用拡大に一役買うことになる。
恥ずかしながら、「ドン・キホーテ」にまだ行ったことがない。銀座や六本木にもあるんだけどさ。商品の圧縮陳列とか、店舗の屋上にジェットコースターを作ろうとして問題になったりしたのを知っているくらい。
ただ、今回の判断はすばらしい! 応援したいよ。
何歳になっても健康な人が働ける場所があるということは大事なこと。もうすぐ私も古希を迎える。70歳ですよ。ずっと「働かざるもの食うべからず」という信条で生きてきたからさ。これは、お金のためだけでなく、働く場があり続けることで自分自身が活性化されるし、社会とつながり続けることって、やはり重要なことなんだよ。このドンキの求人を機に、いろんな職場で高齢者の比率が増えていけばいい。
今の60歳というと、1955年前後に生まれた世代でしょう。ようやく戦後の復興を終えて、東京タワー建設や東京五輪に向けて突っ走りだした頃ですよ。つまり、働くことに対する意識は高いはず。
それで、どうせなら人生の区切りを「60歳」にするのは、もうやめにしちゃえばいいと思うんだよね。確かに、「還暦」という言葉の印象も強く、多くの企業の定年退職が60歳となっている。だけど、今の60歳はまだまだ元気だよ。もはや人生の「通過点」の年齢になっている。人生の区切りとしては80歳くらいがいちばん適当なんじゃないかなあ。
だって、現状を見たら「60歳を過ぎたらノンビリ暮らそう」なんてできないんだからさ。それは公的年金制度の崩壊も一因だよ。解体された社保庁が運用に失敗したり、おかしなところに流用したり、国を信じて年金を納めてきた人を裏切っていた。
なのに、9月にも年金運用先の株式投資の割合を増やそうという動きがあって、そのあげくに「支給開始年齢を70歳に」だの、「75歳に」だのって、バカかと! そりゃ、若い人も年金を納めなくなりますよ。年金を受給する世代だって、こうなるのを知っていたら、郵便局にでも預ければよかったって話だよ。
本当に60歳過ぎても働くのが当たり前という時代になって、今回のドンキの求人がニュースにならない日本になるかもしれない。
でも、それは悪いことじゃない。最近、牛丼屋の「すき家」で従業員が辞めちゃって、店を閉めたって話があったよね。仕事自体はあるのに、ニートの若者がいる。誰かがやらなきゃいけない仕事を誰もやらなくなったら、日本は滅んでしまうよ。
孫の顔を見ていると、次の元号の頃の日本はどんな社会になっているんだろうと不安になる。シニア世代がまだまだ頑張るしかないよ!
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。