本人の評判とともに、トレーディングカードも爆上がり中だ。日系人初の日本代表に選ばれたラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー選手のトレカが3月10日の韓国戦後、ネットオークションで5000円から2万4000円にまで暴騰した。
トレーディングカードは、かつての「プロ野球チップス」についていたカードのようなものだ。10枚600円で中身が見えないよう、スポーツショップやスポーツバーで販売されている。
前日から「予兆」はあった。WBC開幕前は高橋尚成氏ら評論家に酷評されていたヌートバーが、3月9日の中国戦で、リードオフマンとしての才能をいかんなく発揮。中国戦直後には1000円の売値がついていたヌートバーのトレカが、5000円に高騰した。
さらに韓国戦の5回一死一塁の場面で、2番・金河成の中前に落ちそうな打球をダイビングキャッチ。その直後には、ネットオークション上からヌートバーのカードが消えた。1000円⇒5000円⇒2万4000円と値段を上げてきたトレカは現在「品切れ」。幻のプラチナカードになっているのだ。
このWBCでの活躍を受けて、アメリカの大手トレカメーカー「トップス社」は「ヌートバー選手のファインプレーをカードにする」と発表した。スポーツジャーナリストが言う。
「昨年6月にカージナルスでメジャー昇格したヌートバーのトレカは発行枚数が少なく、すでにトレカ市場に多く出回っている大谷翔平以上の価値がついています」
ガチャガチャ感覚で買えるトレカは投機対象になると、2月13日の「クローズアップ現代」(NHK)で功罪が取り上げられたばかり。準々決勝以降の活躍いかんで、ヌートバー本人の価値とトレカ市場価値はさらに上がることだろう。