安藤サクラ主演のドラマ「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)が3月12日、大円団を迎えた。放送開始時の視聴率は5%台から、回を重ねるごとに上向きになり、最終回直前は7.1%にアップ。終了後もスピンオフドラマがHuluで放映されるなど、成功したといえる。
脚本を手がけたのは、芸人のバカリズム。芸能記者が言う。
「3月3日に最終章前半が放映されたアニメ『進撃の巨人』と同様、一度は悲劇的な最期を遂げた主人公が、周りを幸せにするために人生をやり直すタイムリープもの。安藤演じる主人公は生まれ変わるたびに医師、テレビ局プロデューサー、パイロットなど、それまでとは違うエリート人生を歩んでいきます。『人生やり直せるとしたら次は○○になりたい』と、誰もが抱く生まれ変わり願望を叶える、コメディー仕立てのドラマになっていました。特に素晴らしかったのが、視聴者も巻き込んでの伏線回収でした」
なにもヒロインが人間に生まれ変わるとは限らない。次はサバに生まれ変わると宣告された主人公の前に出てきた料理は、サバの塩焼き…と、バカリズムの毒が効いている。登場人物が着ている意味深な洋服のロゴも、主人公がタイムリープするごとに変わるという、細やかかつ見事な伏線回収。
「女性がパワハラ上司に仕返しするという、身近な毒が全開。バカリズムドラマが30代40代の女性視聴者の共感を得たのは当然でしょうね」(放送担当記者)
今や秋元康を超えたとされるバカリズムに不安材料があるとすれば、「伏線のアイデア」を惜しみなく盛り込んだことによる、次のドラマ脚本のネタ切れだけだろう。