宿泊客の女性に薬物を飲ませてみだらな行為をしたとして、岡山県里庄町のゲストハウスオーナーの武内俊晴容疑者が逮捕された。すでに同じような手口の犯行で逮捕、起訴されており、今回が7度目の逮捕となる。警察はさらに余罪があるとみて、調べている。
コロナ前のインバウンド需要で、国内でも急激に増加したゲストハウス。民家などのリビングやバスルームの共有スペースをシェアし、宿泊客は複数台の2段ベッドに寝る宿だ。1000円から3000円ほどのリーズナブルな価格で泊まることができるため、外国人のみならず、国内の若い男女の間でも人気が高い。
だが、複数の男女が同じ屋根の下でともに過ごすため、犯罪やトラブルが発生することは少なくはない。沖縄県那覇市のゲストハウス(現在は閉業)に宿泊したことがある20代の女性が振り返る。
「そのゲストハウスは真ん中にリビングがあって、男女別に部屋が区切られていました。部屋に鍵はなく、簡単に入ることができたんです。リビングには普段、オーナーか宿泊客の誰かしらいたので、特にトラブルも起きませんでした。ところがある日、私が昼寝していると人の気配を感じ、誰かに体を触られたんです。起きようとしたけれど、怖かったのでそのまま目をつぶっていました。ちょうどその時、他の宿泊客が帰ってくる音がしたので私が起きると、そこには部屋から慌てて出ていくオーナーの姿が見えました」
女性は大学の夏休みを利用して沖縄に1カ月間、滞在していた。ゲストハウスにはひと月分の宿泊代を払ってしまっていたが、その一件で怖くなり、すぐに出たという。ちなみにオーナーは、女性が目撃したことを知ってか知らずか、謝罪のひと言もなかったという。
一方で、国内のゲストハウスによく宿泊するという30代の女性からは、こんな証言が。
「オーナーや宿泊客の交流会として、飲み会が行われることがあるんですが、酔っ払った宿泊客にベタベタと触られたことがあります。幸い、オーナーが止めてくれましたが、距離感が近い分、こういうトラブルも少なくないと思いますね」
ホテル代が値上がりする今、旅行者が集まるゲストハウス。彼女達のような体験を聞く限りでは、今回の事件は氷山の一角なのかもしれない。
(カワノアユミ)