猟奇的な猫の死体に埼玉県警が抱いた「嫌な予感」は当たっていた。埼玉県戸田市内の中学校が襲撃され、生徒を守り抜いた男性教員が重症を負った事件。17歳の加害少年は警察の取調べに、さいたま市内で続いていた連続猫殺し事件への関与もほのめかしているという。被害にあったのは飼い猫と思われる白猫、餌を求めて加害少年に近づいたと思われる痩せ細ったサビ色の子猫だった。
こんな予兆もあった。2月20日には埼玉県警に「さいたま市南区内の小学校及びその周辺施設を2月21日(火)に爆破し、子供に危害を加える」という脅迫文が届いていたのだ。そうして学校関係者や警察関係者が警戒を強めていた矢先の、中学校襲撃だった。
加害少年は3本のナイフを所持し、猫は練習台だったと話すなど、1997年2月の神戸連続児童殺傷事件、2001年6月の大阪教育大附属池田小学校襲撃事件を参考にしたような、ハイブリッド型の凶悪犯罪だ。
戸田市では2020年8月、市役所に「市役所や小学校、中学校への爆破予告に加えて、市長殺害や子供にサリン、フッ化水素酸をかける」等の脅迫文が届き、夏休み明けの学校が臨時休校、市役所も臨時閉庁する事件が起きている。これらの事件にも逮捕された少年が関連していたのどうかは捜査の行方を見守るとして、加害少年が逮捕されたからといって、安心はできない。
「小学校爆破予告から3日経った2月23日の正午すぎ、戸田市内と東京都を結ぶ戸田橋周辺でも、通行人とトラブルになった中高年男性が『やってやるぞ!』と刃物を取り出した事件が起きています。こちらはまだ犯人が逃走中です」(地元記者)
加害少年は、無施錠だった中学校正門から入ってきたという。引き続き用心するに越したことはない。