朝起きたら顔がパンパンに腫れていた、夕方になると靴が履きにくくなる──つら~い「むくみ」は、年齢や性別に関係なく発症する。
「むくみ」は、皮膚の下に過剰な水分がたまっている状態を指す。医学用語では「浮腫」と呼ばれる。
発症しやすい箇所としては、顔や腕、手指。特に、膝下から足にかけて。水は重力により下半身にたまりやすい性質のためにむくむケースが多い。
むくみの主な原因は、デスクワークなどで長時間同じ体勢を取ったり、疲労・ストレスなど、生活習慣によるものが多い。特に、塩分摂取量の多さはむくみと密接な関係があるので注意が必要だ。「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、1日の塩分摂取量の目安は約7.5グラム未満とされている。
重篤な病気が隠れている危険もある。特に、むくみがひどい場合は、腎臓や心臓、肝臓の病気の可能性もある。もし、数日経っても取れない場合は、むくんでいる箇所を指で押してみよう。指の跡が残れば重大病の可能性もある。他にも、急にむくみを発症したり、日に日にむくみがひどくなっていると感じた際には医療機関の内科の受診が必要だ。
下半身の血行不良による足のむくみの場合は、セルフマッサージがオススメだ。ふくらはぎの筋肉は重力に逆らって血液を心臓に戻したり、リンパ液などの体液を体に巡らせるための重要な働きをしている。循環が滞った状態でいると、老廃物が溜まり、むくみの原因につながるのだ。
まずは、お尻を床に付けて座り、片足のふくらはぎの下で両手の指を軽く組み合わせる。組んだ両手でふくらはぎを掴み、つぶすように圧迫する。そのままアキレス腱辺りから膝裏までふくらはぎの膨らみをつぶすようにマッサージする。
ホットタオルで温めたり、湯船に浸かる方法も有効だ。足湯だけでも効果はあるという。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。