社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<むくみ>「慢性下肢浮腫」は高齢者特有の生活習慣!

 立ちっぱなしや長時間同じ姿勢を取り続けていると気になるのが足の「むくみ」。加齢とともに起こりやすくなるという。

「むくみ」は、血管やリンパ管の中にある水分が外側にしみ出し、細胞と細胞の間に余分な水分が溜まった状態で、医学的には「浮腫」と呼ばれる。判断方法は、足のすねを指で圧迫する。指で押した跡がへこんだまま、なかなか戻らないようであれば「むくみ」の可能性が高い。

「むくみ」と加齢の関係は、血液の巡りが悪くなることにある。通常、体の不要な水分は、細胞から静脈やリンパ管に戻され、尿として排出される。しかし、加齢によって血液の巡りが悪くなると、細胞に溜まった水分を静脈やリンパ管に戻しきれなくなり、不要な水分が体に溜まり、「むくん」でしまうのだ。

 長期化すると、「慢性下肢浮腫」に陥っている可能性が高い。これは、高齢者特有の生活習慣によって引き起こされる。「慢性下肢浮腫」の原因となる生活習慣は、「長時間座りっぱなし」「長時間立ちっぱなし」「歩行時に十分足を動かさない」などである。

 何らかの疾患が原因となっている場合と異なり、「慢性下肢浮腫」は検査を行っても何の異常も見られない。「むくみ」が進行し、足がパンパンに腫れ上がったり、強い痛みが生じたりするまで気づかないケースが多く、重症化してしまうと日常生活に支障をきたしてしまうような危険もある。

 他にも「むくみ」には、心不全や腎不全などの重大な疾患が隠れているケースもある。

「むくみ」の進行の防止や疾患の早期発見のためにも、症状が数日以上続くようであれば、一度、医療機関を受診してみよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」