新型コロナによる海外渡航の規制が緩和されることにより、今年は航空需要が本格的に回復することが期待されている。
実際、多くのエアラインが日本への新路線を計画していて、格安航空会社(LCC)の就航も例外ではない。だが、遅延や欠航の補償が大手航空会社ほど受けられないなどの理由から、「もう2度とLCCには乗らない」という声も相次いでいるという。
つい先日も、とあるLCCの成田-バンコク線のゴールデンウィーク時期のフライトキャンセルが発表されて、混乱を招いたばかりだ。
そんな中、今年2月よりタイ・チェンマイ-関空に就航し話題になったLCCを利用した日本人男性が、耳を疑うような体験をしたという。男性は先日、ベトナムのホーチミンから成田へ帰国する際、チェックインカウンターに並んでいたにもかかわらず、締め切られてしまい、その便に乗れなかったというのだ。
「チェックイン時間は特に指定されていなかったので、出発の2時間前から並んだのですが、長蛇の列で出発時間が近づいても全く進みませんでした。優先搭乗を案内する係の人もおらず、ようやくカウンターに辿り着いたと思ったら『もう、飛行機なら飛んだ』と言われて唖然としましたね。私以外にも日本人が10人ほど乗れなかったみたいで、中には『帰りたい』と、泣いている子もいました」
一般的に搭乗時間が近づくと、優先して案内されるものだ。しかし、係の者は誰1人おらず、男性は疲れもあったことから「きっとフライトが遅延しているのだろう」と思ったという。その結果、おとなしく並んでいた日本人全員が乗り遅れてしまったのだ。
結局、フライトは翌日の同じ便に1300円の追加料金を払い、振り替えられることとなった。だが、その日のホテル代などの補償はいっさいなく、男性は近くのホテルに自腹で泊まったという。
他の日本人乗客も焦っていないから自分もそのまま待っていた、というのがなんとも日本人らしいが、男性は、久しぶりの海外ということもあり「判断力が鈍っていた」と反省する。
もちろん、今回のLCCの対応が正しかったとは言い難い。だが、料金が安いLCCに乗ることは、サポート対応にも不備があるかもしれない、ということには留意しておくべきだろう。