芸能

「演歌の女王」島倉千代子がジーンズ姿だったので…「誰だかわからない」事件秘話

 3月30日は美空ひばりと並ぶ演歌の女王と呼ばれた、島倉千代子の誕生日である。1938年(昭和13年)に東京・品川で誕生したというから、生きていれば85歳になる。残念ながら2013年11月に、75歳で病死したが、彼女とは何度も仕事でお会いしていたので、その優しい性格をよく知っている。

 55年のデビュー曲「この世の花」が200万枚の大ヒットを記録し、57年の「東京だョおっ母さん」は150万枚。紅白歌合戦にも出場し、1年年輩だった美空ひばりと人気を二分したものだ。

 他人を信じやすい性格が災いして、連帯保証人になったために数十億円もの負債を背負ってしまったが、借金返済のために身を粉にしてコンサートなどを精力的にこなし、借金を完済している。

「こんにちは。お世話になっています」

 ある日、テレビ局の廊下ですれ違ったのは、ジーンズ姿のショートカットの中年のおばさん。挨拶されても、その時は誰なのか分からなかった。

 その1週間後だったと思う。番組の打ち合わせで局の喫茶ルームに行ったところ、「あのおばさん」と会ったのである。この日もジーンズ…それが島倉だったので驚いてしまった。

 島倉といえば着物姿を連想しがちだが、60歳手前でジーンズというのは全く意外であったし、マネージャーを連れないで打ち合わせに来ることも珍しくなかった。化粧をほとんどしないスッピン状態なので、島倉だと気が付かない者がほとんどだった。自分を自慢したり飾ったりすることもなく、キャッキャと笑う姿はまるで女子高生。「人を信じやすい性格」は、こんなところにも表れていたと思う。

「まさか島倉さんがジーンズを履くとは思いませんでした」

「楽でいいのよ」

 島倉は木村拓哉のファンで、木村がベストジーニストに選ばれたのに憧れていた…と知人から聞いたことがあるが、それが本当なのかどうかは分からない。99年には島倉が協議会選出部門でベストジーニストに選出されているが、この時、島倉は61歳であった。

 87年に発売された「人生いろいろ」は、久しぶりの大ヒット。若い世代にもファンが増え、お笑い芸人が島倉の真似をし始めたことも、彼女の芸の幅を広げるきっかけとなった。小泉純一郎元首相が繰り出した「人生いろいろ。会社もいろいろ」の珍答弁が記憶にある人は多いことだろう。

 女性としては大柄な島倉のジーンズ姿は、足が長く見えて、似合っていた。とはいえ、演歌の女王が着物姿でなかったことは、私にとっては驚きのある「事件」だったのである。

(深山渓)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」