例年より早く訪れた花見シーズン。この3年間、新型コロナで自粛が続いた飲食も可能となり、花見の名所は大いに賑わっている。旅行代理店幹部が言う。
「京都や浅草のお土産物屋さんを見て、びっくりしました。『ちいかわ』一色になっていたからです。コロナの自粛期間中は『鬼滅の刃』が国内歴代興行収入1位の400億円を突破するなど、観光地は鬼滅グッズで溢れていたのに、今は見る影もなし。人気観光地のおみやげ物は『ちいかわ』ばかりで、小学生から修学旅行生、大人まで、ちいかわグッズが飛ぶように売れています。3月上旬に限定発売された、JR東海とコラボした『ちいかわ弁当』『ちいかわグッズ』は人気のあまり、再販が決まりました。『ちいかわ弁当』の事前抽選に申し込みたくても、抽選サイトに繋がりにくい状態が続いています。3月28日に通販が再開したばかりのコラボグッズも、発売初日に売り切れた商品があるほどです」
マンガ作品「ちいかわ」の正式名称は「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」。主人公は正体不明の白くて可愛い小動物だ。友達のウサギやハチワレ模様のネコと一緒に、万人に愛され、楽に生きている…と思いきや、モンスター討伐や草むしりをして、生活費を稼がねばならない。広告代理店スタッフもウハウハ顔だ。
「すごいのひと言ですね。『明星チャルメラ』やサントリー『CCレモン』のほか、『ドン・キホーテ』『しまむら』とのコラボ商品は瞬く間に売り切れ。『めざまし8』(フジテレビ系)でレギュラー放映されているアニメも大好評で、金曜日の週1回から、火曜と金曜の週2回への増枠となりました。プロ野球ともコラボ予定です。すでに抽選申込期間は終了しましたが、福岡ソフトバンク・ホークスがゴールデンウィークに『ちいかわ』との記念撮影会を企画、コラボグッズも販売する予定です」
記念撮影は野球と全く関係がない気もするが、それほど集客効果が見込めるということだろう。この「ちいかわ」ブーム、いったいいつまで続くのか。