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JRA新人騎手「1カ月戦績」総まとめで浮き彫りになった「東西格差」の厳しい現実

 JRAの新人騎手6人がデビューして、1カ月が経った。そこで、簡単に中間評価をしてみたい。

 2勝(3月26日時点)しているのは、美浦・小野次郎厩舎所属の小林勝太。競馬学校卒業時にアイルランド大使賞(騎乗技術が優秀だった生徒に贈られる)を受賞しているため注目度は高かったが、実際に結果を出しているのだから、大したものだ。初勝利はアメトリーチェ(9番人気)で逃げ切り。2勝目はアーレンダール(2番人気)で直線一気を決めており、内容に富んでいるのが素晴らしい。なお、浦和でも元中央馬パールアゲイン(1番人気)で勝っている。

 栗東・大橋勇樹厩舎所属の田口貫太はどうだろう。JRAでの勝ち鞍はレッツゴーローズ(1番人気)の1勝だけだが、地方の交流戦で2勝(1番人気と4番人気馬)している。騎乗数は小林の2倍以上で、期待は大きい。父、母とも元騎手で、父は現在も笠松で調教師として活躍中。勝負の厳しさを幼い頃から学んできたのは強みだろう。

 このほか、1勝しているのは、栗東・渡辺薫彦厩舎所属の河原田菜々。自厩舎のテーオーソラネル(2番人気)で逃げ切ったものだが、なによりもペース配分の良さが光った。小学校時代から乗馬クラブに通っていただけあって馬を御すのは上手で、焦ることなく落ち着いて乗っている印象だ。

 他の3人の中では、美浦・鈴木伸尋厩舎所属の小林美駒のスタートの良さが目についた。デビュー前から「スタートが速いのが自慢です」と言っていたが、確かに速い。それを生かして、もう少しで勝てそうなレースもあった。結果が出るのも間もなくだろう。

 ただ、よく言われることだが、やはり東の新人には馬が多く回ってこないようだ。いや、新人というよりも、若手全般にだ。その証拠に、東の20代騎手でリーディング30位内にいるのは横山武史(34勝で3位)と菅原明良(13勝で20位)の2人だけ。西の7人(今村聖奈、角田大河の10代2人を含む)に比べて圧倒的に少ない。

 そんな構造的な問題もあるため、東の新人が勝ち鞍を増やしていくのはなかなか難しい状況にある。新人にもみなエージェントが付く時代となってはいるが、結果を出さなければ騎乗数は増えていかない。

(兜志郎/競馬ライター)

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