小林美駒、河原田菜々の女性騎手2人を含む6人の競馬学校39期生が、3年間の修業を経て、晴れて卒業。早ければ3月4日の中山・阪神でデビューする。
これにより、JRA女性騎手は、史上最多の6人に。小林は美浦・鈴木伸厩舎に、河原田は栗東・渡辺薫彦厩舎に所属する。2人のこれまでと今後について、見ていこう。
小林は新潟出身で、小学生時代から人馬一体となったスピード感に魅了されて、開催日には必ず新潟競馬場に。ほどなくして騎手を志す。競馬との出会いが新潟競馬だったため、勝ちたいレースを問われると、地元で行われる重賞アイビスサマーダッシュ(芝・1000メートル)と答えている。
現在は厩舎の先輩・横山武史に指導を受け、とてもためになっているそうだ。
「東京競馬場で行われた模擬レースで1着になったことがありますが、前の馬の後ろにつけて、鮮やかに直線で抜け出してみせた。日頃レクチャーしている横山武も『美駒はレースが上手。普通に落ち着いて競馬ができている』と言っています。騎乗馬次第では、けっこうやれそうです」(美浦トレセン担当トラックマン)
一方の河原田は大阪府出身で、小学4年の時に祖父の家で競馬を見たことがきっかけで、ジョッキーになることを決意。中学生になってからは乗馬スポーツ少年団に入り、騎乗技術を磨いてきた。最近では、競馬研修で横山典弘からアドバイスを受けている。厩舎関係者が言う。
「渡辺調教師によると、女性騎手とは思ないほどしっかり追えるそう。これでもう少し体力面がしっかりすれば楽しみだ、と語っています。すでに基礎がしっかりできている印象で、期待は大ですね」
なお、競馬学校には40期生に1人、41期生に2人、42期生に2人の女生徒が在籍していることから、順調にいけば3年後には11人の女性騎手がターフをにぎわすことになりそうだ。今、大活躍している今村聖奈もうかうかしてはいられない。
(兜志郎/競馬ライター)