社会

大阪「ヒョウ柄オバちゃん」が駆逐されたのはなぜなのか…その理由がわかった

「大阪の街を歩いても、ヒョウ柄オバちゃんがほとんどいなかったことに驚きました」

 これは今年初めに、都内の30代OLが友人と大阪旅行に行った時の感想だ。

「何人かは見た記憶があるにはありますが、ポツンポツンぐらいで…」

 ヒョウ柄オバちゃんは、大阪名物のひとつである。東京などでは考えられないド派手なヒョウ柄衣装で街を闊歩する姿は、多くの番組で取り上げられたものだ。ところが、である。それが見られなくなったのだ。

「ディープ・サウスと呼ばれるミナミの歓楽街にも行きましたし、日本一長いアーケード街の天神橋筋商店街にも行きました。けれど、本当にヒョウ柄オバちゃんはいなかったですね。私たちは前から歩いて来るオバちゃんたちが皆、ヒョウ柄だと想像していたんですけど、そんなことはありませんでした(笑)」

 一体、ヒョウはどこかに逃げてしまったのであろうか。

 大阪のヒョウの生息地は、通天閣をシンボルとする新世界周辺が中心である。朝から酒を提供する居酒屋や串カツ屋などが軒を連ね、フグ料理で有名な「づぼらや」の大きなフグの看板が目を引く。これぞ大阪、というディープな雰囲気を醸し出している地域である。

 通天閣前の通りの衣料品の店々には「見てくれ」とばかりに、ド派手なヒョウ柄のシャツが並んでいるが、ここでもヒョウ柄オバちゃんの数は少ないし、そもそも客が少ないのだ。

 地元の50代の女性がケラケラと笑いながら、事情を説明してくれた。

「あんなぁ、コロナ禍になって皆、家に閉じこもってたやろ。ヒョウ柄シャツいうのは自分の存在感を見せる意味があったから、その機会が減ったら出歩かなくなるワケやんか。それと、不況のせいでヒョウ柄をやめて、ユニクロやしまむらの商品にチェンジするオバちゃんが増えたん。ヒョウ柄シャツは高いからなぁ。私の何人もの知人も、ヒョウ柄はやめてもうたよ。だから今でもヒョウ柄を着ているオバちゃんは『私はお金がありまっせ』という自慢みたいなもんなんや。私は着ぃひんけどな」

 そういえば、新世界で売っているヒョウ柄シャツは、軽く1万円を超えていた。大げさに言うなら「ヒョウ柄=ブランド物」であるが、このご時世では手軽に買えるというようなものではない。

 大阪名物を駆逐したのは不況の波だった、というオチなのである。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」