参議院本会議で除名され、一夜にして国会議員から逃亡犯となったガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)。「一生、日本には帰らない」覚悟を決めたそうだが、捜査当局の包囲網はすさまじく、いよいよ「国際手配」が迫っている‥‥。
政府はガーシー容疑者に対して、旅券返納命令を発出した。4月13日までに返納しなければ、パスポートは失効する。それにあわせてICPO(国際刑事警察機構)を通じて、国際手配となる見込みだ。
この国際手配について、元徳島県警刑事で犯罪評論家のリーゼント刑事こと秋山博康氏が解説する。
「国際手配には『青手配』と『赤手配』の2種類がある。青手配はICPOを通じて情報提供を求めるだけですが、今回はそれより一段上の身柄の拘束を求める赤手配です。だいたい赤手配が出されるのは殺人や組織的犯罪などの重要事件。こうしたことからも『逃げ得を許さない』という警察の本気度がうかがえます」
そこで、ICPOのHPで赤手配を受けている日本人を確認してみたところ──。「六本木フラワー事件」の殺人容疑で指名手配されている元関東連合の見立真一容疑者、米国で幼女に性的暴行を加えたとして指名手配されている児童レイプ犯の渡辺大輔容疑者など、凶悪犯がズラリ並んでいる。警察庁のHPでも国際手配犯として出てくるのは北朝鮮の拉致事件に関わった容疑者だ。
ガーシー容疑者って、そんなに「大悪党」だったっけ!? 確かに警視庁が取った逮捕状は暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)と仰々しい容疑だ。が、ガーシー容疑者がやったことは芸能人や企業人の悪口をネットで言いふらしたぐらい。被害者には気の毒だが、国際手配するようなことなのか。
「ガーシー容疑者の事件は社会的な影響が非常に大きいためということが考えられます。警察当局が必ずICPOを通して捕まえることになるでしょう。間違いなく有罪に持っていける証拠集めはすべて終了しています」(前出・秋山氏)
私怨を晴らそうとネットで誹謗中傷を繰り返し、その知名度を生かして参議院議員に当選。1度も国会に現れることなく、逃亡先となったアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに居座る。3月28日発売の「FLASH」のインタビューに答えて、「名誉毀損ごときでICPOを動かして、僕を引き渡させるんですか」と、日本とUAEとの間に犯罪人引渡し条約が締結されていないのをいいことに、相変わらず挑発的な言動を繰り返す。どうやらガーシー容疑者は警察当局を本気で怒らせてしまったようだ。
「警察は威信にかけて、あらゆる手段を講じて捕まえようとしている。ガーシー容疑者の住居地は特定できているので、おそらく極秘で捜査員がドバイに行って、捜査協力を受けながら尾行・張り込みをできる範囲で行っているでしょう。ちょっとでも悪いことをしたら逮捕し、日本に戻らせる根回しもしているはずです」(前出・秋山氏)
常習的脅迫の量刑は最高でも懲役5年。執行猶予が付く可能性があるションベン刑だ。それでも逃走を続けるのは、他にも何か後ろ暗いことでもあるのかと勘繰りたくなる。そんなガーシー容疑者に、前出・秋山氏はこう助言する。
「非を認めて自分から日本に帰ったほうがいい。言いたいことがあるなら捜査員の目の前で言うべきです」
この言葉がガーシー容疑者に届くだろうか。