いささか自信過剰気味の蓮舫氏だが、政策面での党内評価は低い。民進党議員は顔をしかめる。
「『国会で安倍さんと討論しても負けない』と自信は見せるのですが、まだ準備不足で勉強が足りない」
浅川氏はこう語る。
「蓮舫氏は『この政策に強い』という武器がありません。よく言えばオールラウンドプレーヤー、悪く言えば浅い知識しか持ち合わせていない」
ハッキリとしたもの言いは蓮舫氏の特徴だが、それがアダとなることも多かった。8月23日に行った日本外国特派員協会での会見では、
「岡田氏が大好きだ。ただ1年半、一緒にいて本当につまらない男だと思った」
とリップサービス。外国人記者から笑いを誘ったが、その後のツイッターで、
〈激しく後悔中‥‥〉
と反省している。しかし、この一件を民進党は不問に付しているという。
「政治家の会見で一番と言われるぐらい、岡田氏がつまらないのは有名な話。党内で批判は出ましたが、問題にはならなかった」(政治部デスク)
一般的には、いくら事実でも組織トップを公の場でコキ下ろしたらどうなるか‥‥これを許す「お友達」体質こそ民進党の民進党たるゆえんであろう。
民主党政権時代、蓮舫氏が一躍脚光を浴びたのは政府の事業仕分け人としての辣腕ぶり。次世代コンピューターの開発費を巡る仕分け作業では、
「世界一になる理由があるのか。2位ではダメなのか」
という発言は代名詞にもなっている。
「この頃から、党の広告塔として、注目を浴びる存在であると本人も自覚してきました」(前出・民進党議員)
だが、脇の甘さは今と変わらない。09年の年末、ツイッターにこうつぶやいた。
〈DZ「イナズマイレブン2」の改造コードの入れ方をどなたかご存知ですか? 私にはさっぱり‥‥〉
子供が遊んでいるニンテンドーDSソフトについて質問をしたのだが、実はこの「改造コードの入れ方」とは、違法にゲームをコピーする機械を利用するためのもの。当時からゲーム業界では、大問題になっていて、任天堂などソフトメーカー49社が販売業者を提訴するほどだった。
みずからゲームソフトの違法コピーの幇助を暴露したようなもので、発言はあっという間にネット上に拡散されて炎上、謝罪する事態になった。
再び下野してからは影を潜めていたが、久しぶりに蓮舫氏の発言に注目が集まったのは、14年10月7日の参院予算委員会でのこと。
当時、法相を担当していた松島みどり氏(60)が選挙区内で「うちわ」を配っていたとして、公選法が禁じる寄付行為に該当すると“口撃”をして追い込んでいった。しかし、その直後に蓮舫氏も以前、円形の「うちわ」に公約を書いて配っていたことが発覚。思わぬブーメランに釈明するハメになってしまったのだ。