新年度が始まると、多くの新社会人が厳しい令和の時代の荒波へと出航した。その中には、浮き沈みが激しいフリーランスに転身した女子アナも、多数いる。そんな彼女たちの「明と暗」にスポットを当て、その肉声を紹介したい。
ロングヘアが似合うよしこ(仮名)は今春、気象予報士の資格を生かして、新たな仕事を得た。フリーアナとして働きがてら、自宅で勉強しながら取得した資格である。ローカルの地上波テレビ局に連日、出演し始めたのだ。
「地方局を辞めた女子アナは一旦、東京を目指します。理由は明快で、ギャラも仕事も数自体は多く、チャンスも多いから。特にニュースばかり読むCS放送などは人気が高いですね。フリーのわりにはシフト制で、時間も区切られていて予定を立てやすい。ただ深夜勤務も多いため、私は断りましたが」
ギャラは月額40万円で「枠が余ってるからこっちにおいでよ」という誘惑も多かったという。
「視聴者や周りが思っている以上に、この仕事は体を壊します。メンタルをやられた子だっている。今、YouTubeチャンネルなんかで人気者になった先輩は『私、原稿読みが下手だから』と、1年で撤退。でもよく聞けば、生理現象に支障が生じるほど、体を酷使していたんです」
時間を切り売りするなら、
「単価を上げる。これ、鉄則ですから」
苦労した末につかみ取った仕事を前に、よしこの表情は明るかった。