コロナ禍の終息により感染対策が緩和されたこともあって、プロ野球は開幕から多くの野球ファンが球場に戻ってきている。と当時に、いわゆる「ライト層」への対応については、球団の試行錯誤が続いている。
あるセ・リーグ球団関係者によれば、
「コロナ禍前とほぼ同数に近いファンが戻ってきています。昨年までは2割、3割減でしたが、おかげさまでWBC世界一効果もあり、活躍した選手が多いヤクルトなどからは、かなり景気のいい話が聞こえてきています」
コロナが蔓延する以前は、プロ野球ファンはリピーターが多くを占めており、それをどうつなぎ止めるかに焦点を当てた施策が求められた。それが今、ファンが入れ変わった印象があるのだ。
「問題は、観戦に慣れていない初心者ファンへの対応です」
と話すのは、先のセ・リーグ球団関係者である。
「以前のように、オジサンが好みそうなビールにつまみだけのフードメニューでは、すぐさまお客さんの足が遠のいてしまいます。グッズを含めた商品開発は不可欠。女性ファンも増えたので、清潔感のあるトイレを増やすことも急がれる。テレビ放映も調整しなければいけないのですが、親子で楽しんでもらうためにも来年以降、夏休みのドーム球場で、平日のデーゲーム開催も本格検討することになるでしょう」
WBCをきっかけに新たな動きが出たのは喜ばしいことだが、それに伴う課題は多いのだ。