芸能

「ザワつく!金曜日」で猛獣をさばくサバンナ高橋茂雄の「イジられ処世術」

 毎週金曜日の夜に放送されている「ザワつく!金曜日」(テレビ朝日系)は視聴率が好調で、常に全番組のベスト20に名を連ねている。

 バイオリニストの高嶋ちさ子、長嶋一茂、そして気象予報士でタレントの石原良純の3人が出演し、世の中で起こった様々な事象や問題に独自の視点から答えていく。いたって単純な構成なのだが、このキャスティングが絶妙。それが人気の秘密なのだろう。

 3人ともいいところの坊ちゃん、お嬢ちゃんとして育ってきている。長嶋や石原は説明する必要がないほどであり、高嶋は父親がレコード会社の役員で、父の兄は高島忠夫。つまり忠夫の息子の政宏、政伸はいとこにあたる。

 好きなことをそれぞれ言い出す3人をまとめる司会者のサバンナ・高橋茂雄は3人にへりくだりながら、イジくられる役割を進んで買って出ている。それだけではなく、ある時は小バカにしたようなコメントを吐く。

 高橋に異議があると、一茂が「それ違うだろ!」とツッコミを入れるのが定番だが、それを合図に、高嶋と良純も次々とツッコミ。高橋はあえて常識的な視点を投げかけることでヒートアップさせ、3人の特異さを際立たせる。これが番組の味となっているのだ。「サンドバッグ状態にしてもいい司会者」を置くことで、3人が生き生きと動ける。

 毎回、猛獣の檻に投げ込まれたかのように怯えながら、この攻撃にひたすら耐え、時には猛反論する。まるでドラえもんのスネ夫のような存在である。高橋は3人より年下であり、もともと芸人の世界でもいじられやすいタイプであったから、このポジションが適任だったのだろう。

 運動音痴の高橋は立命館中学時代には柔道部に入っていたが、それはのちにで相方となる八木真澄が主将で、強かったから。「守ってもらうため」だったと明かしており、自称「太鼓持ち」だった。

 ただ、高橋が「サンドバッグ」にされているといっても、見ていて心苦しいものではない。出演者の3人が、高橋のことを評価した上でイジッている。それが画面から伝わってくるのだ。この「猛獣」たちに愛される力こそが、高橋の本当の魅力だろう。3人の出演者に劣らず、高橋も京都出身のボンボンである。実家は京都中心部の歯科医で、祖父や父、兄など一族には歯科医が多い。

 両親は高橋も歯科医にしようと、京都大学から家庭教師を雇っていたが、その願いは届かなかった。しかし、芸能界で27年も仕事を続けているのは、生まれながらの処世術がハマッているからなのだろう。

「もともとの頭の回転の速さが、医療の世界ではなく芸の世界で発揮されたんですから、彼の家族も現在の活躍を喜んでいます」(高橋の元家庭教師)

 高橋は「ボンボン気質」がどういうものかがわかっているからこそ、出演者3人の坊ちゃんお嬢ちゃんを気持ちよくさせ、そして愛されることに成功したのだろう。

「強いキャラクターを持つ3人の存在が欠かせないことはもちろんですが、彼らだけではただの『異質な番組』で終わっていたはず。高橋を司会に置いたことで、番組としてのまとまりが生まれたと思います」(テレビ朝日関係者)

 46歳だった昨年暮れに16歳年下のタレントとの結婚を発表したが、特に目立つことをしない「ステルス」的生き方はまだまだ通用しそうだ。

(深山渓)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論