原英莉花の熱愛報道でにぎわう女子ゴルフ界だが、そうしたことは眼中にナシ。4月20日に世界メジャー初戦「シェブロン選手権」が開幕、日本から総勢7人が参戦予定だ。注目は黄金世代の3人。今年から新コースに舞台を替えて火花を散らすとなれば、持ち味の違う3人娘が世界をアッと驚かせる逆転劇も。
米女子ゴルフツアーの今シーズンのメジャー初戦となる「シェブロン選手権」。今年から長年定着していた「ミッションヒルズCC」(カリフォルニア州)から、テキサス州の「ザ・クラブatカールストン・ウッズ」に会場を移して熱戦が繰り広げられる。スポーツ紙記者が解説する。
「シェブロン選手権は83年からメジャーに昇格。『ナビスコ選手権』『ANAインスピレーション』などの名称で日本のファンにもなじみの深い大会です。01年に福嶋晃子(49)が2位、昨年は渋野日向子(24)が4位に健闘しましたが、日本人選手と相性が悪い大会というデータもある。ただ、今年から会場が変更されることで、地元勢も遠征勢も横一線と言えます」
日本からは7人が参戦予定で、昨年の国内ランキング2位の西郷真央(21)や22年全米女子アマチュアゴルフ選手権覇者の馬場咲希(17)の名前もあるが、中心は米ツアーを主戦場にしている5人。その中でも黄金世代(98年度生まれ)の3人娘に注目が集まる。
「まずは19年全英女子オープン優勝者の資格でエントリーしている渋野。この大会は4回目の出場で、20年=51位、21年=予選落ち、22年=4位と、調子の差はあるが大舞台の強さは健在です。昨年のオフには、2年ぶりに青木翔コーチのもとを訪ねて、さらなる飛躍を目指してスイングフォームの改造に着手。青木コーチは『元のスイングに戻すのは難しいので、1から新たなものを作りたい』と話していた。この言い回しは青木コーチらしい渋野への気配りです。『元に戻す』では、この2年間余りが無意味に聞こえますからね。実際、おおざっぱに言えば『横振り』から『縦振り』へ戻し『スマイルシンデレラ』と呼ばれた頃のスイングに近づいています」(スポーツ紙記者)
今シーズンの成績を見ると、5戦とも予選を突破していて、3試合目の「ドライブオン選手権」は7位。初日こそ「74」と大叩きするも「64」「65」「69」と巻き返し、渋野らしいバーディラッシュも見られた。
ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏によれば、
「青木コーチとのタッグに戻り、ホッとしたというか、これで強い渋野が帰ってくると思いますよ。今回の『シェブロン選手権』はメジャー18勝で『帝王』と呼ばれたジャック・ニクラウスが設計した難易度の高いコース。それだけに復調した渋野に期待したい」
大会の行方を左右するコース変更について、米在住のスポーツライターがその難易度を語る。
「米のチャンピオンコースは、ほぼ距離が長く、ラフが深く、グリーンも硬い。一般営業優先の日本よりも難しいばかりか、大会前からラフを伸ばし、難易度を上げるぐらい。ここは森林コースで『最も美しいコース』として有名だが、日本のような借景を利用した風光明媚なコースとは違う。青い空の下、森林や芝の緑、白砂のバンカーなどのコントラストが鮮やかで、かつ起伏に富んでいる造形美を指し、美しい=難しいコースという意味合いが濃い。なので、パワーもテクニックも問われます」