となれば、総合力で頭1つ抜けた存在で、黄金世代を牽引してきた畑岡奈紗(24)と勝みなみ(24)にも期待が持てよう。
「米ツアー参戦7年目で通算11勝(米6勝)の畑岡は、昨年も4月の『DIOインプラントLAオープン』(カリフォルニア州)で優勝。勝は難関の米ツアーQTを5位で突破して挑むルーキーイヤー。日本女子オープン連覇(21年と22年)の偉業をひっ提げての参戦です」(スポーツ紙記者)
4月3日(日本時間)、「DIOインプラントLAオープン」(カリフォルニア州)の最終日、勝はボギーなし「63」の好スコアをマークし、通算10アンダーで畑岡とともに7位に入った。
「やはり黄金世代のツートップは強い。今年3月『明治安田生命レディス』で吉本ひかる(24)がツアー初優勝を飾り、黄金世代としては12人目、通算45勝目をあげましたが、そのうちの18勝を畑岡と勝が占めています(渋野は7勝)」(スポーツ紙記者)
黄金世代は「宮里藍(37)への憧れ世代」とも言われるが、その強さの秘密は、ナショナルチームにあるという。スポーツ紙デスクが続ける。
「16年リオ五輪からゴルフが正式種目に復活し、20年東京五輪でメダルを目指す中、14年の『世界アマチュアゴルフチーム選手権』で惨敗。これでナショナルチームの育成が本格化しました。その第一世代が畑岡であり、勝でした」
ヘッドコーチとして招聘されたのは、豪州で活躍していたガレス・ジョーンズ氏だった。その指導法はどう変わったのか。
「それまでの飛距離を重視する育成法から、アプローチやパッティングに重きを置くスタイルに変更。練習でもショートゲームが6~7割を占めるほどで、徹底的にゲームマネージメントの重要性を説いた。同時にメンタル面の指導にしても、試合であれば一喜一憂せずに自分をコントロールすること、将来の目標設定にしても、そこへの準備の大切さを伝えていた」(宮崎氏)
教え子の畑岡が16年「日本女子オープン」で史上初のアマチュア優勝を飾ってプロに転向すれば、18年の「エリエールレディスオープン」では、勝がプロ初優勝を飾った。ゴルフカメラマンが当時を振り返る。
「畑岡の身長は158センチ、勝が157センチと2人とも小柄ですが、10代の頃から体幹の強化に余念がなく、スクワットにしても50キロ以上のバーベルを使っていて、太腿とお尻の筋肉は見事なものでした。今でも一般的な女子ゴルファーの1.5倍ぐらいの負荷をかけているんじゃないかな。常にトレーニングの先にある自分をイメージしていた」
畑岡の深いラフからのリカバリーショットは定評があり、勝の22年平均ドライビングディスタンスは253.21ヤード。身長173センチの飛ばし屋で、黄金世代の原英莉花(24)=4勝=の255.24に続いて4位だ。