ジャニーズ事務所がかねてより発表していたジャニーズJr.の「22歳定年制度」が、3月31日に施行された。満22歳となるJr.勢と今後について話し合い、合意に至らなかった場合は契約を終了。すでに第二の人生を歩んでいる元Jr.が何人もいる。
Jr.たちは、A.B.C-Zのようなオリジナルソングを収録したDVDの販売、Travis Japanのような全世界配信、一般的な1stCDのリリースをもって「デビュー」とされる。まだデビュー前の約200名のメンバーがいるJr.には、さまざまな階級が存在する。
ステージに立つことはできたものの、外周で手を振ったり、ダンスのまねごとをするのは最下層。「回廊ジュニア」と呼ばれる。
ここでステージ度胸が試されると、次は「旗ジュニア」と称される、大きな旗を振る役に昇格する。回廊とともに照明は当たらず、まれに先輩を邪魔するため、「見えない」とファンから煙たがられる悲しい存在だ。ここまでは、初心者が担当する。
次は「煽りジュニア」。ライブ開始前に「みんなー、盛り上がる準備はできてるかーっ!」と煽る前説の役だ。マイクを手にするため、有望格が担当する。先輩の隣でコーラスを担当する「マイクジュニア」と併せて、エリートコース。青田買いするジャニーズマニアは、この段階で推しを決める。さらにその上に位置するのが、
「2大巨頭が存在していて『モップジュニア』と『フッキングジュニア』と呼ばれます。モップは、大量の水を使った演出のあとに登場。このあとの激しいダンスで先輩たちが滑らないように、ライトが当たらないところで拭き掃除をするのです。フッキングは、命を預かる仕事。ジャニーズのお家芸といえるメンバーをワイヤーで吊るすフライングで、背中のハーネスとワイヤーのフックを脱着する役割です。一歩間違うと大事故につながるため、信頼あるJr.にしか任せられません」(アイドル誌ライター)
フッキングジュニアは、先輩の両脇を固める。ライブ映像では確実にフレームインするため、Jr.にとっては顔を売るチャンスだ。Jr.歴が長かったSnow Manの岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介は、この道のベテランだった。
今をときめくなにわ男子もKing & Princeも、フッキングの際には常に緊張感が走ったという。下積みはスターになるための通過儀礼なのだ。
(北村ともこ)