GW(5月3~7日)にモスクワを訪問したい──。日本維新の会副代表の鈴木宗男参院議員が国会に提出した渡航計画が、永田町で波紋を広げている。
参院議員運営委員会は鈴木氏の外遊を許可したが、日本政府がロシア全土への渡航中止を勧告しているさなか、鈴木氏がモスクワに行きたいと考えた理由は何なのか。与野党の議員らが首を傾げる中、当の鈴木氏は4月26日に行われた維新の会の幹部会で、
「外交というのは積み重ねです。なぜこの事態になったのか、ということを冷静に考えてほしい。私は、両方(ロシアとウクライナ)に責任があると考えています」
ロシアによるウクライナ侵攻について、このように自身の考えを切り出すと、
「先の大戦(第2次世界大戦)で、日本が戦争を仕掛けたことは事実。しかし、日本には日本の言い分があったのではないのでしょうか」
ロシアを擁護する見解を示した上で、次のように言い放ってみせたのだ。
「半年早く日本が降伏していれば、東京空襲も沖縄戦もなかった。広島と長崎に核が落とされることもなかった。同じ経験をウクライナにさせてはいけない」
この宗男節には、与野党の議員はもとより、マスコミ関係者もアングリだ。早速「鈴木氏はやっぱり『プーチンのポチ』だった」との声が上がったのである。
鈴木氏は昨年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始した直後にも、自身のブログで次のように持論を展開していた人物だ。
〈ゼレンスキーが(ウクライナの)大統領になってからミンスク合意、停戦合意を履行しなかったことが今日の事態を招いている。(ゼレンスキーが今を去ること)3年前から誠意を持って話し合いをすれば、ロシア(プーチン)が動くことはなかった〉
自民党有力議員が憤る。
「鈴木氏は国後島のムネオハウスを巡る疑惑で、実刑判決を受けている。それにしても、今回の恫喝まがいの発言は許し難い。プーチンの要求を受け入れなければ、ウクライナは広島や長崎のようになる、とでも言いたいのか」
維新の幹部らが頭を抱えるのも「ムネなるかな」、否、「むべなるかな」である。